インド洋のモルディブはひとつの島が丸ごとリゾートになった、“1島1リゾート”スタイル。一周歩いて回れる小さな島には、リゾーターが思いつくかぎりの夢が詰まっています。モルディブには“ハネムーナーの聖地”というイメージがあるけれど、実は昨今、事情が変わってきているとか!?
160以上の個性あふれるリゾート島。いろいろ体験してみたい!
“インド洋の真珠のネックレス”と呼ばれるモルディブは、1192の島々が26の環礁を形成し、楕円を描くように浮かんでいます。もしも島を全部合体したとしても、国土の総面積は東京23区のおよそ半分。ひとつひとつの島が小さく、歩いて回れる程度しかありません。
島々にはそれぞれ役割があります。地元の人が暮らす島、空港の島、畑の島、ゴミの島もあったりします。その中でツーリストが滞在するのは、リゾートの島です。
モルディブの宿泊施設は、基本的にはひとつの島を丸ごとひとつのリゾートにした、“1島1リゾート”スタイルです。こんもりと茂るヤシの木も、真っ白なパウダーサンドも、光踊るラグーンも、そこに滞在しているゲストだけのもの。もちろん、民家はありません。
ひとつのリゾートが島を占有しているのですから、リゾート側としては自分たちの世界観を“島”という舞台に造りあげることができます。ベアフット・ラグジュアリー系(ナチュラルだけどエレガント)、元気いっぱいのポップ系、デスティネーションスパやダイバー向けなど、それこそ島の数だけ個性があるといってもいいほど。
島を縦断するロングプールや、ウォータースライダー付きの水上コテージ、水中レストランなど、もはやリゾート建築の実験場のよう!? 子供の頃に思い描いた夢もモルディブなら叶えられそう。ちなみに水中レストランや水中スパ、水中ナイトクラブ、水中ホテルなど、海中を楽しめるいろいろな施設があるのも、モルディブの特徴でしょう。
雨季のモルディブは旅の狙い目!
これだけ魅力的なリゾート島があるのだから、人生一度のハネムーンだけだなんて、もったいない。あちこちリゾート島を旅して、リラックスしたり、最新の施設にびっくりしたり。御朱印めぐりではないけれど、ひとつずつ島の思い出を増やすのも楽しそう。
ファミリー向けの施設も充実し、ほとんどのリゾート島にキッズクラブなどの施設があります。キッズクラブの中には幼い子供とティーンといった、年齢層を分けて用意しているリゾートも。また、予算控えめの若い世代向けもあります。今回の滞在中、ソロ旅で朝食を優雅に楽しんでいる女性も幾度か、見かけました。今のモルディブは、カップルばかりが旅しているわけではないようです。
日本の夏は、モルディブは雨季のオフシーズン。そう聞くと敬遠したくなりますが、実は旅行代金が下がり、比較的空いている狙い目のシーズンです。魚影が濃くなるのでダイビング的にもオススメ。それに雨季といっても、ずっと雨が降り続けるというより、ザッと降ってパッと止む傾向にあるようです。
さぁ、ごほうびに、モルディブ。まずはこの夏、いかがでしょう?
2024.09.01(日)
文・撮影=古関千恵子