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レイレイの目の周りが白い理由は……?

 上野動物園には、リーリーとシンシンの子どもで2歳の双子も暮らしています。メスのレイレイ(蕾蕾)とオスのシャオシャオ(暁暁)です。

 レイレイは、目周りの黒い部分の毛の一部が少し白くなっています。「原因は分かっていませんが、中国の専門家と相談して、寄生虫の可能性があると考え、駆虫薬を皮ふに塗っています。今のところ悪化はしておらず、毛が抜けたということもありません。注意深く観察を続けています」(冨田さん)。筆者が見たところ、最近は以前と比べ白さがあまり目立ちません。

 双子の姉で、昨年2月に中国へ渡ったシャンシャン(香香)も上野動物園にいた頃、目の周りが白くなっていました。レイレイも上野動物園でのシャンシャンも、寄生虫は確認されておらず、あくまで「疑いがある」という状況です。なお、シャンシャンが中国で暮らして8カ月近く経った昨年10月に筆者が見たら、目の周りはまだ白かったです。

 行動の面では、時おり、シャオシャオがのけぞったり、レイレイが後ろ向きに歩いたりしています。「なぜシャオシャオがその行動で、レイレイがその行動かは分かりませんが、常同行動の一つだと思いますので、やぐらを組んでエンリッチメント(飼育動物の生活環境を豊かにする取り組み)としたり、昼間に竹を食べる時間が長くなるよう竹の配置を工夫したりしています」(富田さん)。

 5月にはハンモックも設置。屋外に出られる日は、シャオシャオもレイレイも、やぐらに登ってお昼寝したり、ハンモックに乗ったりしています。

中川 美帆 (なかがわ みほ)

パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(12カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。
@nakagawamihoo

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2024.06.22(土)
文・写真=中川美帆