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自分の悩みへの処方箋を持っていれば、日々楽しく、前向きに過ごせる

――MEGUMIさんは今、40代ですが、次の50代、60代に向けて、こうありたいと考えていらっしゃることを教えてください。

 一番は「他者に優しくいたい」ということです。

 自分の“核”みたいなものがどんどんできてくるので、それに反しているものは「違う」と思いがちですが、40代になってあらゆる経験を重ねてきているので、少しずつ「みんな色々あるんだ」と思えるようになってきている。もちろん、相手のバックボーンが手に取るように分かるわけではありませんが、それを分からないままでただ「ノー」というのは違うんじゃないかなって。

 ムカつくことはムカついて当然だと思いますし、そこまで全部抑える必要はありませんが、あまり自分の意見を押し付けないようにしたく、他者に優しい“ババア”になるのが理想ですね(笑)。

――MEGUMIさんの気風の良さや、伝えたいことをはっきり伝えるという姿勢に感銘を受けました。自分の意見をちゃんと誰かに伝えるというのは、なかなか難しいと思うので、ぜひアドバイスを!

 私たちはインタビューをたくさん受ける機会があります。そこで頭の中が整理整頓されてスッキリしたり、「あ、私ってこういうことを考えているだな」と分かったりします。でも普通はインタビューを受けることなんてないでしょうし、自分の中にモヤモヤとあるものや、ツラさが身体から抜けていかないときってありますよね。

 そういうときは、臨床心理士の方などに話してみることをおすすめします。彼らは答えを出すわけじゃなくて、「どうしてそう思ったの?」という感じでインタビューをしてくるんです。それに答えていくうちに、「自分にはこういう考え方があり、こういうことが嫌で、こういうふうに伝えたい」みたいなモノが出てくるんですよね。

 こういう思考は“慣れ”でもありますし、トレーニングが必要なので、ネットなどで探してみて、プロの方とぜひ話してみて。心の中にある“毒”をゴミ箱に捨てる――、そんな感じの時間になると思います。それを続けるうちに話すことにも慣れますし、気持ちはスッキリするしで、イイことづくめだと思います。

――最後にぜひ、この本を手に取ってくれた読者にメッセージをお願いいたします。

 私はよく「強いね」とか「軸がブレないね」と言っていただくことが多いのですが、自分で自覚しているのは、【ものすごく腹が据わった部分】と【面倒くさいぐらい繊細な部分】が混在している、大変扱いにくい性格ということ(笑)。それを自覚できたのはとても得難い経験でした。

 芸能界という大変な場所で、自分を変えたくて、あらゆることを試してみました。そして、実際に効果があったものを今回の『心に効く美容』に余すところなく掲載しています。

 自分の悩みへの処方箋が分かっていれば、人生もう少しラクに、前を向いて歩くことができます。私の経験から、そう確信しているので、究極にツラいときはコレ、身体がだるいときはコレ、朝からムカついているときはコレ、という具合に、そのときの自分にフィットするページを見てもらえると嬉しいです。日々の生活がより楽しく、前向きになるような、その手助けができたらいいなって思っています。

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MEGUMI

1981年9月25日生まれ、岡山県出身。2019年、映画『ひとよ』の演技により、第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。現在ではタレント、役者業に加えて、実業家、映像プロデューサーの顔も持つ。23年に上梓した『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)が大ヒット。美しさに磨きをかけるための徹底したハウツーを網羅した一冊は、年齢を問わず女性のバイブルとなっている。最新の著書『心に効く美容』を5月12日に上梓。

心に効く美容

定価 1,650円(税込)
講談社
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2024.06.09(日)
文=前田美保
撮影=佐藤 亘
ヘア&メイク=KIKKU
スタイリスト=斉藤くみ