この記事の連載
食卓を楽しく彩る高橋千恵さんのお気に入り
橋本美貴子さんのうつわは遊び心があって、かわいい絵柄が印象的。釉薬で絵を描いてから工程を重ねていく手間のかかる作り方で、あまりやる人がいないんです。かわいいけれど、実際に食べものを置いてみるとそこまで甘さは出なくて使いやすい。食べるうち、だんだん絵柄が見えてくる楽しさもあります。私もよく家で使っています。いろいろ盛ってみると意外な相性を発見できるのが楽しくて。普段は和菓子や果物をのせることが多いかな。
洋風でも和風でもいける便利で楽しいお皿を作るのが、加藤恵津子さん。彼女は内装デザインをやられていたこともあって、どのうつわも卓上のおさまりがすごくいいんです。一見使いにくそうなデザインでも、料理をのせてみれば実感できると思いますよ。彼女自身も料理上手なので、料理が映えるようなうつわを作るのがやっぱりうまいですね。
うつわを買うと私は料理がしたくなります。盛りたいものが浮かんでくるから。そしてうつわはさんざん持っているけれど、また同じようなものを買うことも多いですね。手持ちに無いものを探しにきたのに、結局いつも選ぶようなものを買ってしまう(笑)。
お帰りになるとき「楽しかったな」と思ってもらえるような店にしたいと常々思っています。うつわを探して選ぶ楽しさを「黄色い鳥器店」に来てぜひ、感じてください。
白央篤司
フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/
Column
うつわのある暮らし
食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。
2024.05.21(火)
文=白央篤司
撮影=平松市聖