【星のや竹富島】「島テロワール」春のディナーコース

●八重山の食文化とフレンチの邂逅

 竹富島を含む八重山の島々は、南国の食材に恵まれているだけではなく、自然環境や歴史が育んだ独自の食文化が継承されている。フレンチの技法やアイデアを用いて、南国らしい食材や受け継がれてきた文化を驚きの味わいに仕立てるのが、「島テロワール」のディナーコース。2024年の春から夏にかけてのメニューは、沖縄では「鳴き声以外はすべて食べる」とされる豚や、祝いの席に欠かせないヤギ、特産の野菜やハーブなどを用いたメニューを提供する。

 たとえば「炭火で焼いた豚肉のデクリネゾン」というメニューは、付け合せに煮込んだチラガー(顔皮)、ミミガー(耳皮)、タン(舌)を使用。ここに豚骨などを用いるソースや、豚のゼラチン質から作られたチュイル、豚レバーと豆腐ようのムースなどが組み合わされる。豚のあらゆる部位を余さずに使い切る八重山の食文化と、さまざまな調理方法で食材を活かすデクリネゾンというフレンチの技法が一体となっている。

 食材の質はもちろん、食文化を継承してきた竹富島の人々の苦労や喜びにまで思いを馳せるメニュー構成になっている。

【「島テロワール」春のディナーコース概要】

期間:2024年3月21日~7月上旬
料金:1名1万8,150円(税・サービス料込)※宿泊料別
予約:要
予約方法:公式サイトより前日まで受付
対象:星のや竹富島宿泊者

2024.05.01(水)
文=サトータケシ