【WOMAN】
女の独り酒、独り飯は、人生を豊かにするための技術

 26歳のOL・村崎ワカコは、夜ごと飲み屋で独り酒を楽しむ。サカナにぴったりの酒を自分で選び、口の中の幸福を吟味。

「焼鮭には冷(ひや)が合う」「出汁(だし)にはポン酒」「紹興酒を飲んで中華を食べると料理がめちゃめちゃおいしい」「庶民的食べ物はウーロンハイごくごく飲んでざくざく食べたい」「ワインに合うものはウィスキーにもたいがい合うんだよこれが!!」。そうした言葉を全部飲み込んで、「ぷしゅー」と溜め息をもらす。

 仕事でイヤなことがあった日の夜のこと。「ビールでガーッと忘れるんじゃなしに 熱燗とアン肝ポン酢でまったりしてみよう」。なぜか?

「このホカホカが ちまちまと流れる時間が 心に余裕をもたらす」。誰かと一緒に飲んでいては、こうはいかない。グチってしまう。あおってしまう。独りだから、できる。

 女子力が低いと悩むワカコさんは、酒を人生のパートナーにできる、大人力の高い人でした。

『ワカコ酒』 新久千映

彼氏はいるが、食の趣味が合わないから一緒に飲みに行かない。友達と食事する楽しさを大事にしているからこそ、独り酒の時は、独りならではの楽しさを謳歌したいと思っている。店員との会話はほどほど、隣客とのおしゃべりも少なめ。OLワカコはただ食べて、ただ飲む!
徳間書店(既刊2巻) 590円
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

Column

男と女のマンガ道

男と女の間には、深くて暗い川のごとき断絶が横たわる。その距離を埋めるための最高のツールが、実はマンガ。話題のマンガを読んで、互いを理解しよう!

2014.03.04(火)
文=吉田大助

CREA 2014年3月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

秘密のパリ

CREA 2014年3月号

賢者33人が明かすとっておき。
秘密のパリ

特別定価720円(税込)