この記事の連載

 初となる著書『My Life』(祥伝社)を上梓したpecoさん。書籍に込めた思いや、自身の幼少期についても振り返ってもらった。


インテリアとしてもおしゃれに見える本にしたい

――初の著書『My Life』(祥伝社)が刊行されました。カバーが昔の洋書のような雰囲気で素敵ですね。

pecoさん(以降、peco) 「外」を褒められるのが一番うれしいです(笑)。インテリアとしてもおしゃれに見える本にしたくて、背景からフォントの書体、色も自分で決めさせてもらいました。

 「中」の「はじめに」と「おわりに」は、私自身が一から書いたものです。

――予約の段階でAmazonの総合ランキング一位になるほど大きな反響を呼んでいます。どのように受け止めていますか。

peco 発売前、「pecoちゃんの本だったら絶対素敵なはず」みたいなありがたいコメントをたくさんいただいただのですが、私は人から期待されるのが本当に苦手で。ただ自分のこと書いてるだけやから〜と思ってました(笑)。

 でも、「『私はこう思うけど、あなたはどうですか』と聞かれているような気がした」と言ってくれる読者の方がいて、「あくまでもこれは私の考えです」というのはコミュニケーションとして普段から意識していたことだったので、それが伝わったのは嬉しかったです。

――エッセイを出すことになった経緯を教えてください。

peco 2022年8月に新しい家族のかたちを発表したことで、応援のメッセージをたくさんいただきました。その中で、「pecoちゃんは心が広すぎる」「pecoちゃんがかわいそう」といった心配の声もいただいていて。その時、ありがたかった反面、ちょっと違うんだけどな、という気持ちもあったんです。

 実際、心が広いわけでもないし、私が優しいとかではなくて、ryuchellからもらった愛や築いてきた関係性があったからこそ自然にできた決断だったので、これまで伝えきれなかったことを、自分だけの言葉で、本というかたちにまとめたいと思ったんです。

 「そもそも、新しい家族のかたちって何?」っていう、そこもわかりにくいので、ちゃんと伝えたいなと思いました。

2024.04.24(水)
文=小泉なつみ
写真=佐藤 亘