「自分だけ心地いい」から、「環境や社会にとっても、心地いい」を考える人が増えてきました。サステナブルなフードやホテルを選ぶように、コスメにおいても、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを追求した「サステナブルコスメ」を選びたいものです。

 そこで、ナチュラル&オーガニックライフ専門のPR会社「ラキャルプ」の代表で、「サステナブルコスメアワード」の審査員でもある新井ミホさんに、ここ数年、日本でも急増しているというサステナブルコスメの中から、選りすぐりのものを教えていただきました。ぜひ注目してみてください。

 第1回目は北海道・東北篇です。

» #01【北海道】ロサ・ルゴサ 朝摘みローションミスト<全身化粧水>
» #02【北海道】イコ オイルインミスト
» #03【岩手県】奥州サボン プレミアム

» 関東・中部篇


サステナブルなものづくりに取り組むコスメブランドが急増

 新井さんが代表を務める「ラキャルプ」で扱っているのは、化学的な成分を使わず、有機農法で栽培された植物をはじめ、自然・天然由来の成分を原料に作られるナチュラルなオーガニックコスメ。

 新井さんによると、“SDGs”という言葉が普及する以前から、自然環境に配慮したコスメを製造・販売するブランドはありましたが、近年はさらに広い観点からSDGsに取り組んだものづくりがスタンダードになりつつああるとか。

「かつての日本にはサステナブルコスメという言葉や明確な定義がなく、わざわざ海外製品を調べて探さなければ手に入りませんでした。ところがここ数年で、単に“無添加”や“自然・天然の由来成分”を謳うだけではなく、パッケージも環境に配慮した素材を使っているものや、廃棄素材をアップサイクルしたもの、地域の特性や風土を活かしたものなど、地球の未来を想い、循環させる仕組みづくりを考えているコスメがたくさん登場しています」(新井さん)

 2019年から始まった、「人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰する「サステナブルコスメアワード」には、毎年全国各地から特色のあるサステナブルコスメが集まります。

「驚いたのは、Z世代など若い世代の人たちが学校でSDGsについてしっかりと学んでいて、自分がモノを買う時の選択肢の一つに『サステナブルかどうか』が含まれていること。私たち大人以上に“当たり前”のこととして捉えているんです。

 サステナブルコスメアワード2022には、茨城県の高校生が自主的に立ち上げたプロジェクトから生まれた、ひまわりのリップクリームが出品されました。地元の休耕農地解消と地産地消を目指し、学生たちが無農薬で栽培したひまわりの種から低温圧搾したオイルを使用したもので、すごく素敵なコスメでした」(新井さん)

 食べ物のように“地産地消”の考え方がコスメにも広がり、選択肢が広がっていることは嬉しく、消費者にも身近に感じてもらえたらと話す新井さん。

 サステナブルなコスメを選択することは、間接的な社会貢献にもつながります。自分が生まれ育った地域や、応援したいエリアをこれまでとは違う視点で注目してみると、新しいサステナブルコスメとの出会いがあるかもしれません。

2024.04.13(土)
文=河西みのり
撮影=釜谷洋史