【疑問3】トラネキサム酸は「飲む」のと「塗る」のではどっちが効く?
髙瀬 クリニックでは、「内服」を優先します。老化の初期段階である微弱炎症は、体の奥深く、しかもあらゆる臓器で発生するためです。何よりトラネキサム酸の内服薬は「お薬」ですので、一定期間、決められた量を飲むことで、肝斑の改善作用が証明されています。
一方で、肝斑治療の患者さんには、トラネキサム酸の「外用薬」も人気があります。内服のサポートとして使う方が多い印象ですね。トラネキサム酸を配合した「化粧品」の場合、先ほどお話しした通り、老化の初期段階をブロックすることで、長い目で見たエイジングケアに力を発揮します。
【疑問4】トラネキサム酸と併用できない薬があるってホント?
髙瀬 「内服薬」の場合、低用量ピルと併用できないケースがあります。低用量ピルには血栓症のリスクを増す報告があり、トラネキサム酸は、血栓の溶解を遅らせる働きがあるからです。基本的には併用可能ですが、医療機関によって念のために禁止しているところがあります。
――肌に塗る化粧品はどうですか? ピルとの併用は避けたほうがいい?
髙瀬 「化粧品」に関しては、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。美容成分のトラネキサム酸は基本的に副作用が少なく、相性の悪い成分も特にありません。ピル服用中の方や妊婦さんにもお使い頂けます。
2024.04.04(木)
文=宇野ナミコ