この記事の連載

ベーシックなうつわが揃ったら買い足したいもの

 ベーシックなお皿が揃ってきたら、異素材のうつわをひとつ持つのはどうですか。ガラス皿、木製のお皿、あるいはアルミで作られたお皿。

 洋服におけるアクセサリー感覚で考えてみてください。服がちょっとシンプルすぎてつまらないな……なんて思ったとき、ちょっと個性的なアクセサリーを足すことで全体の雰囲気がガラッと変わったり、締まったりってありますよね。普段みなさんがお洋服でなさっているのと同じような感覚で、異素材のうつわをひとつ足してみるといいと思います。

 ひとつ持っておきたいのが、深さのあるうつわ。スペースを取るものでもあるので、麺鉢としても、どんぶりや煮物を入れるのにも使いやすいと感じられるものを選んでほしいです。深さのあるうつわも丸皿だけでなく、デザインに遊びのあるものを選ぶと楽しいですよ。

 「自分の好きなうつわって、どういうものか」が分かってくると、料理も同時にうまくなっていくと私は思っているんです。このお皿に何を盛りたいか、具体的にイメージできるって料理のレパートリーも増えてきてるということですから。うつわ使いが素敵だなと思う人探しから始めて、うつわと料理の組み合わせをぜひ楽しんでください。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/

次の話を読む人気料理家・山田英季さんに聞く 愛用のうつわ&うつわの選び方 「うつわは本に近いな、と思います」

← この連載をはじめから読む

Column

うつわのある暮らし

食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。

2024.03.14(木)
文=白央篤司
撮影=平松市聖