この記事の連載

和久井香菜子さん[少女マンガ研究家]

Q1:夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品は?

●『月読くんの禁断お夜食』アサダニッキ/講談社

 カリスマ的パーソナルトレーナーとして活躍する御神そよぎ。美を追求する一方、夜になると反省で眠れないといったネガティブな一面も。そんな彼女の前に現れた年下男子、月読悠河。謎は多いが料理が得意な彼に、夜食を振る舞ってもらうことに……。

「夜、疲れて帰ってきたときにお夜食を作ってくれるイケメンがいたらどんなに癒されることか……! しかも絶対安全。なんだ、この寝る前から夢のような状況は!?」

●『ババンババンバンバンパイア』奥嶋ひろまさ/秋田書店

「夜と言えばバンパイア。バンパイアの蘭ちゃんが主人公のBLコメディです。蘭ちゃんがとにかく美しく、そしてアホ。最高にキュートです。映画や洋楽のコメディがここそこに詰まっていて、一コマも見逃せません。蘭ちゃんの着ているTシャツにも注目」

●『じゃのめのめ』森本梢子/集英社

「妖怪を“にらむ”稼業の瞳子は、ある島に眠る神『きよら様』を目覚めさせることになる。妖怪といえば夜。そして美しいきよら様のお姿は、疲れた1日をきっと癒してくれます!」

Q2:人生で影響を受けたマンガは?

●『王家の紋章』細川智栄子あんど芙~みん/秋田書店

 考古学を学ぶアメリカ人少女、キャロル・リード。彼女が留学先で、リード家の事業である王家の墓の発掘現場に居合わせたことをきっかけに呪われ、古代エジプトにタイムスリップしてしまうことから物語がスタートする超大作。

「古代エジプトに興味を持ち、そこから歴史好きに。そして冒頭でメンフィスに痛めつけられつつ溺愛されるキャロルに憧れ、すっかりM女に育ちました」

Q3:夜ふかしマンガの楽しみ方は?

「ハイボールと酢の物。夜なのでカロリー控えめにすると罪悪感低し。ほろ酔いで読むマンガは最高! けっこう簡単に泣いたり笑ったりできます」

Q4:いま、特に注目している作品は?

●『後ハッピーマニア』安野モヨコ/祥伝社

「『ハッピーマニア』が20代の等身大だとしたら、今作はアラフィフあるあるのリアル。相変わらず苦悩している重田やフクちゃんの姿に、共感したり、ほっとしたり」

Q5:いま、読み返したい名作は?

●『キャンディ♡キャンディ』原作:水木京子、作画:いがらしゆみこ/集英社(絶版)中公文庫(絶版)

「読み返したいのに読み返せない……」

Q6:とにかく泣きたい夜におすすめの作品は?

●『海街Diary』吉田秋生/小学館

「冒頭、すずの泣くシーンで毎回一緒に号泣。人と関わる難しさと豊かさ、人生を見つめる物語だと思います」

Q7:深夜ひとりでひっそり読みたい作品は?

●『男友達が激甘カレシになりました』御徒町鳩/大誠社

「無神経な元カレのせいで男性に不信感を募らせるちえ。最高に気が合う仲良しの豪太とも、付き合ったらいい関係が壊れそうで怖い……。似たような経験をしている女性はとっても多いと思う。豪太がいい彼すぎる。こんなふうに癒されたい!」

和久井香菜子(わくい・かなこ)さん
少女マンガ研究家

ライター、少女マンガ研究家、TLノベル編集。少女マンガ研究で『マツコの知らない世界』などのメディア出演も。京都芸術大の日本マンガ学会会員。

※推薦者のアンケート回答は2023年9月7日発表の「夜ふかしマンガ大賞2023」に寄せていただいたものです。現在とは作品の情報等が異なる場合があります。

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