伝統と新しい感性がミックスされて常に進化しているパリ。この街で生み出されるものはすべてがアーティスティック! それをカジュアルに楽しめるのもパリならでは。宝石みたいなシュークリームやポップな三つ編みヘアピース、洗練された蚤の市、行列のできるフードトラック――。そう、パリにはいまの気分がすべてある。
» 第1回 最旬パティスリーパラダイスが仕掛ける甘い誘惑
» 第2回 モード業界出身オーナーが変えたパリの朝食
» 第4回 女性オーナーこだわりのインテリアホテルにチェックイン
» 第5回 クリニャンクールでアートなアンティークを掘りだし散歩
ル・ブリストルで暮らすペルシャ猫の優雅な毎日
5ツ星ホテルを超える超高級にランクされるパラスホテル、ル・ブリストルと、パリで唯一の本当のシャトーのホテル、サン・ジェームスで、夢のホテル暮らしをしている住人がいる。セレブな猫たちだ。自由に散歩や昼寝をして館内で一日過ごしているのだ。
白猫はル・ブリストルのファラオン。毛足が長い、3歳の雄のミャンマー産ペルシャ猫だ。彼は首輪も、カリカリを食べる専用の皿も、リュクスなゴヤールというおしゃれぶり。日中はロビーにある高級宝飾品が入ったウィンドー・ボックスの上でお昼寝しているが、ブシュロンなどほかのブランドもあるのに、なぜかピアジェの上がお気に入りなのだそう。ここに飽きると、レセプションのカウンターの上やロビーのルイ16世風ソファで寛いだり、庭で狩りを楽しんだりと、貴族のような毎日を送っている。ホテルのスターだけに写真に撮られるのに慣れっこで、カメラを向けるとまばたきもせずぴたりと静止するプロ級モデルでもある。
右 首輪のチャームは、ゴヤールの蝶ネクタイ。
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2014.02.11(火)
取材・文=安田薫子
撮影=水島優