いつでも“きちんとした”食事ができるお店が次々とオープン

水牛のモッツァレッラチーズ、フレッシュトマト、バジリコを良質の塩とオリーブオイルで和えたパスタ・アッラ・ケッカ(6.50ユーロ)

 ここ最近、イートイン系の店をよく見かけるようになったローマ。レストランやトラットリアに入るほどきっちり食事をする時間もないし、かといってパニーノや出来合いのお惣菜を盛ってもらうバール飯じゃ味気ない。毎回、切売りピザでは飽きるし、何よりもカロリーが気になる。とは言え、イタリアにいながらマック系ファストフードなんて言語道断だ。そう考えてみると、ランチタイムや、とくにランチタイムを逃してしまった昼下がりにさっと利用でき、しかもツーリスト相手ではない美味しい店が意外と少ないのがローマの現状だった。

体に優しくヘルシーなチチェルキア豆のピューレ、チコリ添え(6.50ユーロ)。チチェルキア豆は店頭で購入できる

 そんななか、有り難いことに、便利に使えそうなイートイン系の店が昨年末だけでも何軒か街なかにオープンした。これらの店に共通しているのは、「食材にこだわっている」「お持ち帰り可能」「注文が入ってから調理にかかる」「電子レンジは使わない」「ノンストップで営業している」こと。いつ何時でもきちんとした食事をとれるのが嬉しい(ここで言う”きちんと”とは、しかるべき食材で調理されたつくりたてのご飯という意味)。日本ではごく当たり前のことでも、ランチやディナータイムを外すと店の選択肢がとたんに少なくってしまうローマで、このテの店はかなり有り難い存在なのである。とくに時間が不規則な仕事をしている私のような者にとってはなおさらだ。

シチリアを代表するスイーツ、カッサータ・シチリアーナ(3.50ユーロ)はパレルモの工房から直で仕入れている。食べやすいミニサイズが女性に人気

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text & photographs:Yukie Muramoto