サツマイモとタロイモが入ったショウガスープ

 南国のイメージが強い台湾ですが、寒波の襲来の時にはそれなりの肌寒さになります。そんなときにおすすめなのが、サツマイモとタロイモが入ったショウガスープ「薑汁地瓜芋頭湯」。これは市内の中心部、永康街にある芋デザートの専門店「芋頭大王」で味わえます。小さな店構えではありますが、地元では知らない人はいないという名物店です。

 産地直送で仕入れたタロイモやサツマイモは3、4時間かけてじっくりと煮込みます。適度な火加減で、煮くずれすることなく、ほど良いやわらかさとなっています。また、こだわりのショウガスープは完全な手作り。大きな鍋でショウガを丸ごと黒砂糖ベースで煮込んでいきます。クセがなく、すっきりとした喉越しには誰もが驚かされるはずです。食べているうちから身体がポカポカとしてきますよ。

「薑汁地瓜芋頭湯」70元(約230円)。器いっぱいに盛られたタロイモとサツマイモ

芋頭大王
所在地 台北市永康街15-4号
MRT東門駅から徒歩約3分
電話番号 +886-2-2321-7649
営業時間 11:00~23:00
定休日 第2・4月曜日

すべて手作業、格別にナチュラルな杏仁豆腐

 最後におすすめしたいのが、杏仁豆腐の専門店「于記杏仁豆腐」です。杏仁豆腐をベースにしたデザートは随所で見かけますが、杏仁豆腐は想像以上に手間がかかるもので、人工香料を用いているものが少なくありません。そんな中、ここの杏仁豆腐は添加物を用いず、すべて手作業で作っているので、その味わいと香りは格別です。冬場はホットバージョンの「熱杏仁豆腐」が人気を集めます。

 私のお気に入りは「杏仁焼」。これは杏仁スープにハトムギやイモ団子、金時豆、緑豆などを入れたものです。店には約20種の手作り具材があり、この中からお好きなものを4種類選びます。杏仁豆腐は風邪や便秘予防、さらには乾燥肌にも効果があると言われており、この季節にはぴったりのデザート。美味しく食べて、身体の内側からきれいになりましょう。

「杏仁焼」は70元(約230円)、控えめな甘さで美味

于記杏仁豆腐(衡陽店)
所在地 台北市衡陽路101号
交通 MRT西門駅から徒歩約1分
電話番号 +886-2-2370-1998
営業時間 10:30~22:30
URL  http://www.yustofu.com.tw/
定休日 無休 

片倉真理 (かたくら まり)
台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。2011年に台湾で出版した中国語書籍『在台灣,遇見一百分的感動~片倉真理 旅的手記』(夏日出版社)のほか、共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『ことりっぷ海外版 台北』(昭文社)などがある。

Column

心も体も温まる冬の台湾へ

台湾を訪れるなら、断然、冬がおすすめ。旧正月を迎える街の賑わい、華やかなランタンの祭典、肌がすべすべになるドロ湯の温泉、そして、個性的な鍋料理やあったかデザートなどの逸品グルメ……。寒い季節ならではの素晴らしいお楽しみが、この島には満ちあふれている!

2014.02.04(火)
text & photographs:Mari Katakura