台湾の新年はこれからが本番。台湾では旧暦でお正月を祝い、「春節」、または「過年」と呼ばれます。2014年は1月31日が旧暦の元旦に当たり、この時期は新年を迎える準備で賑わっています。今回は台北の歳末風景をご紹介しましょう。

台湾最大の盛り上がりを見せる迪化街

 台湾でもっとも賑やかな歳末風景が見られるのは「迪化街」と呼ばれるエリアです。ここは台北市西部の淡水河のほとりに位置し、かつては物資の集積地として栄えていました。今でも赤レンガ造りの瀟洒な老建築が軒を連ね、往時の繁栄ぶりを伝えています。

 ここには乾物や漢方薬材、食材などを扱う問屋が並びます。買い物上手な主婦や業者たちが集うため、「台北の台所」とも称せられています。最近はガイドブックなどでも穴場のショッピングスポットとして紹介されるようになりました。

 普段はしっとりと落ち着いた空気に包まれている迪化街ですが、旧正月前になるとその様子は一変します。毎年、旧正月の2週間くらい前から「年貨大街」と呼ばれる歳末売り出しセールがおこなわれます。大勢の買い出し客が集まり、狭い路地は行き交う人々であふれかえります。まさに、身動きするのさえ難しい状態です。

毎日がお祭り状態の迪化街。週末の午後はよりいっそう混みあいます

 提灯で彩られた路地には露天屋台がせり出し、各地の特産品やお正月用の飾り物、伝統的なお菓子類など、ありとあらゆるものが販売されます。山のように積まれた商品の前では売り子たちのかけ声が飛び交い、見ているだけで気分が高まってきます。

山盛りのさきいかやスルメ。売り上げ向上のため、売り子には愛想がよくてチャーミングな女の子を揃えているのだとか

<次のページ> 高級食材から縁起のよい飾り物まで

2014.01.17(金)
text & photographs:Mari Katakura