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#3 ソアリェイロ「アロ(アルヴァリーニョ&ロウレイロ)2022」

 ポルトガル固有種ブドウ、アルヴァリーニョのトップ生産者「ソアリェイロ」が生み出す「ALLO(アロ)」は、アルヴァリーニョと、同じく固有種ロウレイロの頭文字から命名。前者のしっかりとした果実味、後者の酸味とミネラル感が混然一体となり、複雑な味わいを醸し出す。いつもの料理を格上げしてくれる1本。

「2種の土着品種ブドウから作られた白。果実味や酸味、ミネラルのバランスが洗練された味わい。ポルトガル北部の豊かな森をイメージさせるハーバルな爽やかさもあります」(馬田さん)

#4 ニーポート「ナット・クール ホワイト 2021」

 伝統的なポートワインのスタイルを守り続ける1842年創業の「ニーポート」。こちらは、現当主がスティルワイン(非発泡ワイン)造りを開始し、新たに始めた革新的なコンセプト「ナット・クール」のヴィーニョ・ヴェルデ。ステンレスタンクで3か月熟成後、無濾過で糖分と澱を残した状態で瓶詰め&瓶内で再発酵し、この地の“典型的な”濁りのあるワインを再現している。

「昔ながらの自然派、ヴィーニョヴェルデの白。瓶内発酵させた微発泡で、酸とぶどうのうまみのバランスも秀逸です。年中飲んでる、私のデイリーしみじみワイン」(馬田さん)

#5 ルイス・パト「スパークリング バガ ロゼ NV」

 ポルトガル中部バイラーダ地方の注目ワイナリー「ルイス・パト」が生み出すのは、この地の伝統品種である黒ブドウ・バガを使ったロゼワイン。フレッシュな酸味とコクがバランスよく、現地でも大人気。目にも美しいロゼと立ち上る泡は、ニューイヤーの幕開けにピッタリ。

「ラズベリーやチェリーのような甘酸っぱい風味ながら、味わいはキリッと辛口。酸味とコクもしっかりある、味わえるロゼのスパークリングです。価格も親しみやすく乾杯に最適」(馬田さん)

木下インターナショナル

https://www.kinoshita-intl.co.jp/

選んでくれたのは…
馬田草織さん

ポルトガル料理研究家、ライター、編集者。食と旅を中心に雑誌や書籍などを執筆。特にポルトガルの食に造詣が深く、『ムイトボン! ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)他、ポルトガル関連の書籍多数。
https://www.instagram.com/badasaori/

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2023.12.27(水)
文=遊佐信子
写真=釜谷洋史