世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第19回は、大沢さつきさんがモロッコで出会ったバイタリティあふれる日本人女性について綴ります。

強烈! 驚天動地のマラケシュ・スーク

細いわ、狭いわのスークって、車両通行止めと思いきや、大胆にも車が……。何でもアリかいっ

 モロッコといえば……幻想都市。無限に広がる砂漠。街に響き渡るコーラン。極彩色の絨毯。と、エキゾチックにして、ファンタスティックなイメージをもつ人も多いはず。確かに。間違いではナイ。

 が、何事も交渉。タフなネゴシエイトの国でもある。とくにメディナ(旧市街)、スーク(市場)はハードだ。タクシーに乗っても値段交渉。リヤド(邸宅プチホテル)に向かう際、荷物を運ぶリヤカーとも値段交渉。そしてバブーシュを買うにももちろん、交渉だ。

左:職人さんの工房と店がごっちゃのスークながら、バブーシュ・スークとか陶器スークとか、なんとなく住み分けられているのが、マラケシュのスーク
右:ここは染色スーク。染めたばかりの糸を干しているそばに、完成品が売られているという図式だ

 吹っかけてくるんですね、これが。とっても。正確な値段(そういうものがあるならばだけれど)は分からないが、軽く10倍は盛ってる感じ。ときには、関係ない人間まで現れて、オレの分も寄越せとのたまう始末……。おいおいバカにするなよ~と思いつつ、敵はそうとう粘り強い。正直、メゲます。農耕民族的にはとても、疲れる。

ランプの店も固まっていて、あちらこちらでキラキラとカラフルな灯りが並ぶ

 でも、ゴチャゴチャっとしたスークでの買物は楽しいし、何よりモロッコ雑貨はただいまトレンド。疲れること承知で、出かけたくなるというものだ。

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2014.02.04(火)
text & photographs:Satsuki Osawa