Magnificent View #087
シャウエン(モロッコ)

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 青と白のグラデーションが織り成す、幽玄のごとき色彩に包まれた世界――。

 ここは、モロッコ北部の山間にたたずむ小さな街、シャウエンである。この界隈のみならず、街全体がこの色合いを帯びているというから驚くしかない。

 何ゆえ、こんな彩色が施されたのか。そこには、地中海をめぐる歴史が関係している。

 スペイン全土をレコンキスタ、すなわちクリスチャンによる国土回復運動が席巻した15世紀末、かの地のイスラムやユダヤの信徒は、地中海を渡りこの街へと逃れてきた。彼らの力によって発展をとげたシャウエンは、その後、20世紀を迎えてから、ユダヤ教にとっての聖なる色である青と白に染め上げられたのだという。

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