竹野内さんが一生で一度は行ってみたい秘境の地は?

――竹野内さん自身は、帰ってこれなくなるかもしれないけど、一生で一度は行ってみたい秘境の地はありますか?

 今、本当に行きたい場所というと、観光地化されていない身近な山ですね。SNSで動物の映像や秘境を観るのが好きなんですけど、最近YouTubeで、若い青年二人が山奥で渓流釣りをしているものを観たんですが、地元の山を知り尽くした人じゃないととても入り込めないような源流近くで釣りをしているんだけど、釣り上げた魚に対して “ありがとな、最高だったよ!” と言ってすぐに針を抜いてリリースしてあげていて、そんなふうに自然に対して敬意を持った触れ合い方をみて、僕も同じような体験をしてみたいと思いました。

――最後に改めて今作を通して伝えたいことを教えてください。

 コロナ禍によって自分自身と向き合ってみたり、人生感や生きることの意味を改めて考える時間が増えた今だからこそ、石橋監督がこの映画に込めた何かが、時間をかけて、じわじわと、皆さんの心のどこかに届けばいいなと思います。今は本来の自分のあり方や、人としてどう生きていくのか、自分の本能に触れることはとても大事なことだと思うようになりました。別に難しいことを言いたいわけでなく、それは皆さんの心の中に存在するものとして、この映画をご覧いただけるのではないかと願っています。

竹野内豊(たけのうち・ゆたか)

1971年生まれ。東京都出身。94年に俳優デビューし、ドラマ、映画で活躍。02年に『冷静と情熱のあいだ』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、11年『太平洋の奇跡 ーフォックスと呼ばれた男ー』でブルーリボン賞主演男優賞を受賞。2022年には「京都国際映画祭」で三船敏郎賞を受賞。近年の出演作では、ドラマ『イチケイのカラス』(21/FNN)、『さまよう刃』(21/WOWOW)。映画には『シン・ゴジラ』(16)、『孤狼の血』(18)、『カツベン!』(19)、『シン・ウルトラマン』(22)、『イチケイのカラス/劇場版』(23)、『シン・仮面ライダー』(23)『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』などに出演している。

『唄う六人の女』

出演:⽵野内 豊 ⼭⽥孝之/⽔川あさみ アオイヤマダ 服部樹咲 萩原みのり 桃果 武⽥玲奈
⼤⻄信満 植⽊祥平 下京慶⼦ 鈴⽊聖奈 津⽥寛治 ⽩川和⼦/⽵中直⼈
監督・脚本・編集:⽯橋義正 脚本:⼤⾕洋介
⾳楽:加藤 賢⼆ 坂本 秀⼀
制作プロダクション:クープ コンチネンタルサーカスピクチャーズ
制作協⼒:and pictures 配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
©2023「唄う六⼈の⼥」製作委員会
https://www.six-singing-women.jp/

衣装クレジット

シャツ 参考商品、スラックス 143,000円(税込)、シューズ 181,500円(税込)/すべてBRIONI(ブリオーニ クライアントサービス 0120-200-185

2023.11.14(火)
文=金原由佳
撮影=深野未季
ヘアメイク=竹野内宏明(HIROAKI TAKENOUCHI)
スタイリスト=下田梨来(Rina Shimoda)