この記事の連載
- 中国でシャンシャンに再会(前篇)
- 中国でシャンシャンに再会(後篇)
竹筒や麻袋はない
シャンシャンは上野動物園にいた頃、ときどきハンモックでくつろいでいました。おやつが入った竹筒を振ったり、麻袋をいじったりしていたこともあります。雅安基地ではどうなのか、現地で飼育員さんに尋ねたところ、「ここには池や丘や大きな木があるので、今のところ、あなたが言うような遊具はありません」との答えでした。
また、上野動物園ではシャンシャンが成長して身体能力が高まったので、木に巻いていた登り止めの鉄板を2020年の秋に外しました。するとシャンシャンはするすると木に登り、筆者が見上げてもよく見えないほど高い所に到達しました。一方、雅安基地では、10月12日(木)時点ではまだ木登りをしていないそうです。パンダは大人になるとあまり木登りをしなくなりますが、シャンシャンの父親のリーリー(力力)は、大人になってもよく登っていました。
ただ、飼育員さんによると、シャンシャンは「もう臆病ではありません」。10月12日(木)の夕方、シャンシャンは屋外の丘を力強く登っていき、姿が見えなくなりました。まるで山の中に帰っていくようです。筆者の雅安での2日間の観覧はこれで終了。シャンシャンは可愛らしさに、たくましさも加わったような気がしました。
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2023.11.11(土)
文・撮影=中川美帆