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東京はあくまで「出張」というスタンス

──先ほど、「東京は洗練されすぎている」とおっしゃいましたが、東VS西という意識はありますか? 関西出身者は、多かれ少なかれ、東京に対するライバル心や劣等感みたいな気持ちを持っているのでは?

 僕はないです。ただ、大阪に生まれ育ってよかったというのは、いつも思っています。

 歌舞伎の世界に僕を引っ張ってくれた恩師であり、養子に迎え入れてくれた父でもある秀太郎は、関西の上方歌舞伎の火が消えかかった時代もずっと大阪に居を構え、上方歌舞伎の再興に力を尽くしてきた人です。そんな父の背中を見て育ってきたからこそ、僕もずっと関西に居を構え、東京はあくまで「出張」というスタンスでこれまでやってきました。

 最近は圧倒的に出張仕事のほうが多くなってしまいましたが、でもあくまで東京は仮の住まいという思いがあります。

 そんな思いがあるからこそ、今回大阪府知事役をいただいたことはすごく嬉しかったですし、自分にとっての勲章みたいな気持ちです。

──今年は野球でも18年ぶりに阪神タイガーズが優勝しました。再来年には大阪・関西万博も控えているなか、満を持しての本作公開で、いよいよ「大阪の時代」が来ているようにも感じます。

 足音立ててきていますね~。駆け足で来てますよ! 僕はいつも、通天閣を見ると「ああ、帰ってきたな」と感じるんですけど、今回は、この通天閣もまさかの活躍をしてくれます。ぜひ劇場で、一緒に大阪の時代到来を感じていただけたら嬉しいですね。

映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』

2023年11月23日(木・祝)全国公開

2019年に公開され、興行収入37.6億円の大ヒットを果たした空前絶後の茶番劇。「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉なんて言ってるだけで、口が埼玉になるわ!」といった埼玉ディスを連発しつつ、作品全体に漂う「愛あるディスり」に日本中が魅了された。
今作は、「日本埼玉化計画・第II章 東西対決」をテーマに、スケールも大幅にパワーアップ。GACKTさん、二階堂ふみさんのメインキャラクターを軸に、片岡愛之助さん、杏さんといった強力なキャラクターが登場し、原作の世界観はそのままに、映画オリジナルストーリーで、日本全国を巻き込んだ東西対決が描かれている。

キャスト:GACKT、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助 ほか
監督:武内英樹
公式Xアカウント:@m_tondesaitama

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2023.11.21(火)
文=相澤洋美
写真=橋本篤
メイク=青木満寿子
ヘア=川田舞
スタイリング=九(Yolken)