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 メジャーデビューから25周年を迎えるロックバンドのくるりが岸田 繁さん、佐藤征史さん、森 信行さんからなるオリジナルメンバーでニューアルバム『感覚は道標』を制作。このレコーディングの様子を追ったドキュメンタリー映画『くるりのえいが』が10月13日に劇場公開およびデジタル配信されます。

 およそ20年ぶりに集まった3人が楽曲を生み出していく様子を切り取ったのは、細野晴臣さんのドキュメンタリー映画『NO SMOKING』などで知られるテレビプロデューサー・映画監督の佐渡岳利さん。メンバー3人と佐渡監督に、『くるりのえいが』制作の経緯や見どころを聞きました。

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映画の監督は佐渡さん一択で! って即決でした

──映画を撮る前から、佐渡監督とくるりの皆さんは面識があったんですか?

佐渡岳利 そんなにがっつりではないんですけど、僕がやっていた音楽番組に出ていただいたことがあって。だからこちらはよく知ってますけど、くるりの皆さんはそこまでではないんじゃないかなと(笑)。

佐藤征史(B, Vo) 僕は細野(晴臣)さんのドキュメンタリー映画『NO SMOKING』をわりと近い時期に観させていただいていたので、「その監督の方です」っていう紹介のされ方が一番わかりやすかったですね。

岸田 繁(Vo, G) 映画を撮ることになったときに、うちのスタッフとも相談して、監督は佐渡さん一択で! って。僕は普段あんまり邦画を観なくて、ハリウッド映画が大好きなんです。この間も『ミッション:インポッシブル』を観に行ったし。

──けっこう派手な映画がお好きなんですね。

岸田 派手であればあるほどいいですね。『スパイダーマン』とか『インディ・ジョーンズ』とか、ああいうのが好きで。でも細野さんも大好きなので、『NO SMOKING』は観に行って。そしたら、映画で感じたことのないような気持ちのいい感覚になったんです。なんというか、おいしいお蕎麦を食べたような。もしくるりの映画を撮るんだったら、この人とやったら気持ちいいかも、みたいなことを思いましたね。

2023.10.12(木)
文=石橋果奈
写真=深野未季