Madame Ayako est de retour à Cannes!
マダムアヤコが、カンヌに戻ってきたー。いや、実は2022年も行ってたのだが、あっという間に時間が流れ、カンヌ追っかけ日記を書くのは2年ぶりになってしまった。もう映画祭の結果はとうにご存じと思うので、追っかけたスターたちの素顔をまとめてお届けしよう。
まず、ヴィム・ヴェンダースが日本で撮った「PERFECT DAYS」で男優賞を受賞した、役所広司さん!
もう、マダムが学生時代から大、大、大好きな役所さんがついに大きな栄冠を手にしたのだから、会場で「やったー」と声をあげてしまったよ。ちなみに私たちプレスは大劇場ルミエール・シアターでの授賞式を、隣接するドビュッシー・シアターで中継で観ているので、「やったー」という声が役所さんに聞こえることはないんだけども。
日本の国宝が、ついに世界の宝になった瞬間に立ち会えたのは、本当に嬉しかったなあ。役所さんには、このままオスカーまで突き進んでほしい!
「PERFECT DAYS」で極端に寡黙なトイレ清掃員を演じた役所さんの素晴らしさについては、文春オンラインにも書いたので詳しくはそちらを読んでいただくとして、素顔の役所さんはたくまざるユーモアがあるのだ。受賞スピーチの第一声で「僕は賞が大好きです」と発したのは、その前に登壇したプレゼンターが「男の人は賞が好きですよね」と言ったことへのジョークだったんだけど、「滑ってしまいました」とあとで照れてました。
そんな飄々としたご本人の魅力が、今回の映画には滲み出ていたと思う。かと思えば、今話題のドラマ「VIVANT」でのテロ集団テントの親玉ノゴーン・ベキとして、黙っていても立ち上る凄みの恐ろしさよ。
面白かったのは、フランスの記事がどこもZEN(禅)という言葉でこの映画を表現していたこと。フランスをはじめとした欧米では、静かだったり、穏やかだったり、装飾の少ないものは、みんなZENになっちゃうのだ。
2023.10.06(金)
文・撮影=石津文子