この記事の連載
中井友望インタビュー・前篇
中井友望インタビュー・後篇
恋にはなってほしくないふたり
――果歩を取り巻く人たちの中でも、同級生の上野輝之（山脇辰哉さん）とのやり取りが印象的で、おふたりの空気感も抜群でした。果歩と輝之との関係性について、中井さんはどう感じていましたか？
恋にはなってほしくないな、と思うふたりでした。言葉では簡単に定義できない、あのふたりだけの尊いものがこれから先もずっとあってほしいなって、私自身が映画を観終わった後に思うほどでした。
演じているときに、上野くんとの関わり方を特に意識していたとかはないんですけれど、どれだけ果歩が壁を作っても上野くんはまっすぐに来てくれていて。その上野くん自身にも「何かあるんだろうな」と節々で思わせるところがあるから、果歩も一歩寄り添ってみようという気持ちになれたりするんですよね。そういう関係性は山脇さんと「こうしようね」と現場で話し合ったわけではないんですけれど、撮影を重ねていくごとにちょっとずつなれていたのかなと思います。
――学生時代、中井さんにとっての上野くん的存在はいたんでしょうか？ 男女限らず、ご自身にとって特別な人という意味で。
はい、います。学生時代よりもっと前で、0歳のときからの幼馴染がいるんです。お母さん同士が公園で出会ってからの仲なので……（笑）。小さいときはずっと一緒にいて、学生時代は場所が離れちゃったのであまり会えなかったんですけど、同じタイミングで上京しました。
小さい頃は当たり前のように一緒にいたけれど、大人になったらそれまでいろいろな経験をして考え方も私とは変わったのかもしれない、合わないのかもしれないと思った時期もあったんです。それでも、結局ずっと仲がいいのはその子なんです。すごく大切なつながりだなと思います。
2023.10.03(火)
文＝赤山恭子
写真＝榎本麻美
ヘアメイク＝SHIO
スタイリング＝粟野多美子
