この記事の連載

 暑かった夏を越え、実りの秋がやってきました。

 秋といえば真っ先に頭に浮かぶのは、やっぱり栗!

 シンプルな焼き栗から、栗おこわ、モンブランに至るまで、栗のおいしい楽しみ方はいろいろ。さらには、ジェラート、かき氷も! ひときわおいしい栗スイーツを見つけるべく、栗の生産量日本一を誇る茨城県のなかでも名産地として知られる、笠間市を訪れました。

 #3では、栗の産地ならではの専門店で栗のあれこれをお買い物。

» 茨城・笠間の栗巡り #1はこちら
» 茨城・笠間の栗巡り #2はこちら
» 茨城・笠間の栗巡り #4はこちら
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実力派栗専門店でシンプルに栗を味わう

 そこかしこに広がる栗林を眺めながら車を走らせ、向かったのは「笠間の焼栗 愛樹マロン」。お目当ては、新ブランド栗「愛樹マロン」の焼栗です。

 紙袋から取り出してみると、大粒の実が香ばしく焼かれ、パクっと割れた皮の間から、見るからにおいしそうな黄色い実が顔をのぞかせています。口に入れると少しもちっとしてしっとり、甘みたっぷり。芳しい香りと凝縮感のある味わいに、自然と顔がほころびます。

 「私たちの農園では、特許を取得した矮化栽培という、樹高を低くして主幹から直接実らせる栽培方法で栗を育てています。そして、冬に十分な有機物堆肥を与えて枝の剪定を行い、夏にはドローンによる病害虫防除。これによって生まれた、糖度が高くて大粒の栗が『愛樹マロン』です」と、代表取締役の西野あゆみさん。

 この栗を収穫してから1カ月間低温熟成させ、甘みが増したところで自社製の焼栗専用圧力釜で焼き、ふっくら、ほっくりと。

「焼きたてよりも、少し冷めてから味わうほうが甘みが感じられておすすめです」

 焼栗は「愛樹マロン」のほか、濃厚な甘さでほくほくとした「ぽろたん」、品種を問わず良質な笠間産の栗を使用した「愛宕山」も。店内では、マロンティーとのセットでも味わえます。

 そのほか、焼栗プリンや焼栗ジェラートも魅力的。さらには、栗まんじゅうや和栗モンブランロール、和栗ミルクジャム、栗甘納豆といったお菓子も多数そろい、生栗やむき栗、栗おこわ、「大粒栗のほくほくカレー」、マロンティーなども販売されていて、どれをおみやげにしようか迷ってしまいます。

 岩間駅から徒歩約5分とアクセスもよく、「栗シーズン中の週末には一日に約300kgの栗を焼き、約1,000人が訪れる日も。季節を大事にするのは日本人の心。栗好きな人がこんなにもたくさんいらっしゃることを感じられて、うれしく思います」と、西野さん。ぜひ訪れたいスポットです。

笠間の焼栗 愛樹マロン

所在地 茨城県笠間市下郷4147-1
電話番号 0299-57-1088
営業時間 9~10月は10:00~17:00 11~8月は10:00~16:00
定休日 日・月曜、祝日 ※栗のシーズンは日曜・祝日は営業
http://www.aiki-marron.jp/

2023.09.28(木)
文=瀬戸理恵子
撮影=橋本 篤