この記事の連載

 暑かった夏を越え、実りの秋がやってきました。

 秋といえば真っ先に頭に浮かぶのは、やっぱり栗!

 シンプルな焼き栗から、栗おこわ、モンブランに至るまで、栗のおいしい楽しみ方はいろいろ。さらには、ジェラート、かき氷も! ひときわおいしい栗スイーツを見つけるべく、栗の生産量日本一を誇る茨城県のなかでも名産地として知られる、笠間市を訪れました。

 最終回の#4は、栗のパラダイス「道の駅 かさま」で栗を食い倒れ!

» 茨城・笠間の栗巡り #1はこちら
» 茨城・笠間の栗巡り #2はこちら
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生産量No.1だからこその栗パラダイス

 せっかく笠間を訪れたならば、ぜひとも足を運びたいスポットが、2021年、友部ICから車で約5分の国道355号沿いにオープンした「道の駅 かさま」です。

 コンセプトは、「笠間のゲートウェイ(玄関口)」。

 農産物や加工品の直売所や、茨城の食を楽しめるフードコート、笠間の栗専門のカフェやショップがそろうほか、シェアサイクルステーションやキャンピングカーサイトも。かさま観光周遊バスの停留所もあり、市内へのアクセスも便利です。

 真っ先に向かったのは、フードコート内にある笠間の栗のカフェ&ショップ「楽栗 La Kuri」。

 笠間市農業公社の農園の栗のみを使ったスイーツやドリンクが提供され、なかでも大人気なのが、絞り立ての極細モンブラン「楽栗filo(フィーロ)」です。

 栗のペーストを混ぜ込んだ生クリームの上に、発酵バターを選りこんだ栗のペーストを糸(イタリア語でfilo)のようにたっぷりと。スポンジもメレンゲも一切なく、添えられたシーソルトは、栗の風味を引き立てるアクセントとしてお好みでかけて。

 繊細な口溶けと栗の風味をピュアに楽しめる、やさしい味わいのモンブランとなっています。栗のシーズン中は1日で約200皿提供し、行列必至・売り切れ必至なので、食べたい人はお早めに。

 瓶入りの「栗のbudino(ブディーノ)」は、クリーミーでなめらかな口当たりが魅力的な栗のプリン。つるり、とろりとまろやかな栗のプリンの上に、栗のムースと栗のシロップ煮がのせられ、メリハリのある味わいに。口溶けとともにじんわりと広がっていく栗の風味に、心が和みます。

 「ちょっとお腹がすいたな」という人には、「栗のキッシュ トリアンゴロ」もおすすめ。タマネギやピクルス入りの生地に栗のペーストも加え、丸ごとの栗をごろごろと。モッツェアレラチーズとパルミジャーノチーズもたっぷりかけて焼き上げた、満足感いっぱいのひと品となっています。

 「栗のフィナンシェ レガリーノ」は、お土産にもぴったり。焦がしバターを加えた生地がしっとり、風味豊かで、上には半割にした栗がぜいたくにのせられています。

前代未聞「モンブランタンタン麺」も登場!

 ほかにも、フードコートには笠間の栗を楽しめるグルメがいっぱい。

 茨城県内を拠点に全国展開する「瑞穂農場」の生乳を100%使用する「GELATERIA COWCOW」で一番人気なのが、その生乳に笠間の栗のペーストをたっぷり混ぜ込んだ「笠間産 濃厚栗ジェラート」です。

 ミルクの甘さとやさしさに栗の滋味深い風味が混じり合い、ところどころ舌に感じられる栗の粒がアクセント。おだやかな余韻が広がります。

 また、フードコート内のソフトクリーム店で、「笠間栗プレミアムソフト」も。笠間の栗のペーストがバニラやミルク風味のソフトクリームに混ぜこまれ、口溶けなめらかでやさしい味わいが広がります。

 茨城の人気ラーメン店「活龍」では、なんとモンブランがタンタン麺に!

 「笠間栗だけを豪快にたっぷり120g(栗7個分)絞った純モンブラン贅沢タンタン麺」は、その名の通り、砂糖やクリームを一切使わない栗100%のペーストを、タンタン麺の上に山のように絞ったひと品。「道の駅 かさま」限定で提供されています。

 辛みのあるスープに栗が溶けこんでポタージュのようになり、麺にとろりとからんでほんのり甘く、まろやかで深みのある味わいに。驚きのマッチングが楽しめます。

2023.09.28(木)
文=瀬戸理恵子
撮影=橋本 篤