予定をぎっしり詰め込んだ旅は、充実感はあるけれど、ひとつひとつの体験を味わえ尽くせない消化不良感がともなうことも。さまざまな経験を積んだ大人にこそおすすめしたいのが、エッセイストの柳沢小実さんが提案する、予定を詰め込みすぎない「ゆったり旅」です。
詰め込み旅からゆったり旅にシフトしたことで、これまで以上に学びが多く、心が満たされる旅時間を持てるようになったと柳沢さんは言います。
ゆったり旅にぴったりの持ち物から洋服、そして旅を自分らしくカスタマイズする方法、さらには具体的な旅プランまで、ゆったり旅を楽しむために知っておきたいアイデアがたっぷり詰まった、柳沢小実さんの新刊『大人のゆったり旅』より、プチトレッキング旅のプランを抜粋して、ご紹介します。
頂上を目指さずとも
日頃あまりに運動不足で体力がないため、いつもプチトレッキング派。上りがせいぜい2時間前後の、らくらくコースを選んでいます。山小屋での休憩や下山後の美味しいものがごほうびだから、必ずしも頂上まで行かずともよく、体力や時間に見合った範囲で歩きます。
このときは、まず松本で腹ごしらえをして、奥飛騨温泉郷「麓庵 民宿たきざわ」に宿泊。食事とお湯が評判の宿です。
そして、二日目の朝に宿を出て、新穂高ロープウェイに乗り、西穂山荘経由で1時間45分歩いて西穂丸山山頂へ。すいーっと下山して、松本の「マサムラ」でシュークリームと、スーパー「ツルヤ」でおやきとジャムを買う。ほどよく運動してあとはグルメという、充実の旅でした。
旅のヒント1 腹ごしらえにお蕎麦
奥飛騨に入るときは松本を通るので、「そば処浅田」で腹ごしらえ。温泉宿に泊まる際は、夕食が盛り沢山なことが多いため、夜に向けて昼は軽めにしておきます。
旅のヒント2 温泉宿に宿泊する
山の朝は早いので、時には前日入り。奥飛騨温泉郷「麓庵 民宿たきざわ」はお手頃価格でごはんが美味しく、貸し切り露天風呂も最高でした。ロープウェイ駅へのアクセスも◎。
2023.09.05(火)
文・写真=柳沢小実