この記事の連載
- ミキ・亜生「推しネコ活」#1
- ミキ・亜生「推しネコ活」#2
ネコ様愛の目覚めとお世話の優先順位
そのかいあってか、完全に目が開く頃にはだんだん成長してきたというか、自力で歩いたりオシッコができるようになっていって。ようやく「これは生きてくれるな」「もう大丈夫やな」って肩の力が抜けたんです。
このコも、いずれ金次郎みたいに甘えてくれるんやろな。そう思ってたのに、助六の対応は、いつまでたってもめっちゃ塩。自分から寄ってこんし、一日中隠れとる日もザラ。ゴハンのときだけパッと出てきて再び姿を消す、みたいな。マジでなんやねん! って感じ。
一方、助六の次にお迎えした銀次郎は、めちゃめちゃ僕に懐いてくれるコで。「ネコ様によって性格も違うんやな」と割りきりかけたとき、僕の人生を変える事件が起きたんです。
あるとき、仕事の都合で2匹を実家に預かってもらったんですよ。オカンはネコ様好きやし、楽しくやれるやろと思って。けど、迎えに行ってみると「2匹とも1回も触れんかった」「隠れて出てこんかった」ってめっちゃ不満げやってん。銀はともかく助六はそういうコやし、しゃーないよなと。そんな話をしていたら、なんと助と銀が僕のところへぶわーっと駆け寄ってきはったんです!! しかも2匹ともしっぽを立てて=うれしいってサインを出しながら!!
もうね、「何これ!!」「キューン♡」ってなって……何秒くらい呼吸が止まったんやろ? 「やっぱ僕じゃないとアカンのか!! 」とか「その可愛さ、何なん!?」って、感情の整理が追いつかへん状態に。ハートをムギューッとつかまれるって、こーゆーことなん!? これが、恋……!?
なのに、我が家へ帰ったら助六は塩対応へ逆戻り。そのギャップに、「究極のツンデレってこういうことか!!」とまたしても心がギューン!! となって……!! この瞬間でしたね。「ネコ様に一生を捧げます!!」と心に誓った、究極のネコ様バカならぬ、ネコ様推しが爆誕したのは。
2023.08.11(金)
『保護ネコに幸せにしてもった僕の推しネコ活』(主婦の友社)より抜粋
著者=ミキ・亜生
監修=今泉忠明
リード文=CREA編集部