ほんのりスパイスが香る優しい味わいのエチオピア料理

 イベントの締めくくりはエチオピア料理をいただきます。都内にあるエチオピア料理のお店からケータリングされたお料理の数々がテーブルに並んだ様子は本場さながら。

 エチオピア料理は「インジェラ」と「ワット」が基本。

 「インジェラ」は、「テフ」というイネ科の種子を使った平たいパンのようなもの。日本でいう「ごはん」のような主食です。生地を焼く前に4時間ほど自然発酵させるため、少し酸味があります。

 「ワット」は野菜や豆、肉などを炒め煮した料理の総称で、各家庭の味があるのだとか。

 この日は、インジェラと、4種類のワット、そして三角の形をしたサモサのような「サンボサ」というレンズ豆の春巻き、そして「ドロワット」が振る舞われました。

 鶏の手羽元と丸ごとのゆで卵が入った「ドロワット」は、長時間煮込んで作るため、お正月など特別な日に食べるごちそうなのだとか。

 エチオピア料理は初めてでしたが、もちもちとした食感のインジェラが、ワットとも相性抜群で、ついついたくさん食べてしまいました。スパイスが効きながらもやさしい味わいで、日本人にもなじみやすいように思います。

 大使館という普段は立ち入れない特別な場所で、エチオピアの食や多様な文化に触れ、少しだけ「大人の教養」や「嗜み」を身につけることができたような気がします。

 実際に海外の文化を体験してみると、自分たちと異なるようで、コーヒーセレモニーのように茶道と通じる部分が見つかったりと思わぬ気づきも。エチオピアを身近に感じただけでなく、他の国についても知りたいと思わせてくれる貴重な時間でした。

「ダイナースクラブ カルチャーラボ」

これからの人生をより豊かに生きるための「学び」や「体験」、「出会い」の場として、企画・主催・運営している催し。2022年春に開講し、これまでに「分とく山」総料理長・野﨑洋光さんに学ぶ「和食」講座や、観世流山階家十二世当主・山階彌右衛門師に学ぶ「能楽」特別講座など、その道を究めた一流の講師による講演や、大使館でのイベントなどを開催している。10月からは第5期を予定。
https://www.diners.co.jp/ja/entertainment/culture/culturelabo.html

在日エチオピア連邦民主共和国大使館

所在地 東京都港区高輪3-4-1 高輪偕成ビル2F
電話番号 03-5420-6860
開館時間 9:30~12:30、13:30~17:30
定休日 日本およびエチオピアの休日は大使館を閉館
http://www.ethiopia-emb.or.jp/

2023.06.24(土)
文=根津香菜子
撮影=末永裕樹