2023年、50周年を迎えるパタゴニアは、「simplicity(シンプリシティ)」をテーマにさまざまなキャンペーンを行なっている。その企画の中心にいるのは、ブランドとビジネス・インパクトのグローバル責任者である、アイリーン・オッテンウェラーさん。来日は今回が二度目だという。

 8歳のころから耐久スポーツに親しみ、マウンテンバイクやバックカントリースキーも愛するアイリーンさんに、地球のためにわたしたちができることや、アウトドアライフの楽しさを聞いた。


一歩外に出ることの楽しさを知って

――アウトドアが好きと伺いましたが、普段はどんなことをしていますか?

 子どものときから、怪我をしているとき以外はとにかくいつも外に出かけてる! という暮らしをしてきました。アウトドアの会社にいるということもありますが、今も家にいることはほとんどありません。朝と夕方にはマウンテンバイクで山を走り、冬はバックカントリースキー。スキーは得意中の得意で、以前北海道にもスキーをしに行きました。

―― “外遊び”の魅力ってなんでしょう?

 やっぱり、“野生の自然”を楽しめることだと思います。自然を感じることが増えれば、そこにある大切なものに気づくことができるし、何より外はとっても自由。スポーツとなると少しハードルが高いかもしれませんが、自転車で通勤するとか歩くとか、小さなことから自然を感じてほしいです。私は今でも日々自然の大切さに気づかされているので、もっとみなさんにも知ってほしくて。

――確かにコロナ禍などをきっかけに、自転車で移動する方が日本ではすごく増えた印象があります。

 すごくいいですよね。アメリカは車社会なので、ガソリンを使わない生活ができるように整備を進めたくて、個人的にアクティビズム(社会や環境の問題を変えるために行動すること)を起こしています。誰もが公共の交通機関や自転車などを使いやすくなるような……。

2023.07.12(水)
文=吉川愛歩
撮影=山元茂樹