「あまちゃん」の人気キャラ・ミズタクこと水口琢磨。アイドルのマネージャーで乙女座の彼は、なぜこんなにも愛されるのか。ドラマで彼が発した名台詞を抜粋し、そのひとたらしのテクニックを解析!

 今回は「バックレて、すいませんでした!」ほかの台詞を紹介。

» 第1回 「もっと泣くぞ」ほか
» 第2回 「辞表って中身要るんですか?」ほか

こちらのイラストは、『スイートホームサービス』『あいがある -I Girl-』などで知られる漫画家なかはら・ももたさんによるもの。「あまちゃん」愛が高じて、twitter@momotaNakahara などにアップし続けた”あま絵”ならぬ“あま漫画”です。ミズタクのセリフを解説したライターの木俣冬さんは「あまちゃん」関連の書籍で多数執筆。『あまちゃんメモリーズ』(文藝春秋)でも活躍しています

【甲斐に】
「考えてみたら、マスターって、案外キーパーソンですよね…」(136話)

 純喫茶「アイドル」があったから、春子の影武者話が生まれ、アキも生まれた、という洞察力の高さを見せる。どうやら、年下には熱く、年上には尊敬の念をもって接しているようだ。

【ユイに】
「君の覚悟っていうか本気が見たいって(中略)思うけどね」(56話)

 アイドルに憧れているユイに「スカウトマンなんですよね?」「デビューしたいんです!」とつめよられたとき、少々手厳しく突き放す。話を逸らしつつ、アイドルとしての可能性を感じているユイに奮起を促せて、一石二鳥。

【鈴鹿ひろ美に】
「バックレて、すいませんでした!」(150話)

 マネージャーをやっていた鈴鹿に何も言わずに辞めたことを素直に謝るが、「いやぁ、何か、面倒くさくて。あ、メールはしました」と言う社会性のなさ。アキとユイに対しては熱いのに、興味のないことはとことん適当。

【種市に】
「まだって事は、いずれどこかまで行こうとしてるってことですよね、先輩。南部ダイバー先輩。
それが明るみになったら、どう報道されると思います?
清純派アイドル天野アキ交際発覚、お相手は1歳年上の一般男性。(中略)
あ~あ、大損害だぜぇ、一般男性。いっぱ~んだんせ~い、るぱ~んさんせ~い」(122話)

 売り出し中のアキとつきあっていることを知って、怒りをぶつける。仕事としてのけじめを言っているのか、嫉妬が混じっているのか判別しかねる執拗さ。年下の男にはとことん上から目線だ。

あまちゃんメモリーズ
文藝春秋×PLANETS

じぇじぇ! 国民的ドラマを語り尽くします。
中森明夫氏ら論客が最終回まで徹底解読。全156話レビューと描き下ろし「あま絵」、小ネタ解説「あまペディア」で感動を完全保存!

本体1300円+税

» 立ち読み・購入はこちらから(文藝春秋BOOKSへリンク)

2013.12.22(日)
木俣 冬=文
なかはら・ももた=マンガ

CREA 2014年1・2月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

運命の映画 最愛のドラマ

CREA 2014年1・2月合併号

運命の映画 最愛のドラマ

定価 670円(税込)