ミシュラン2つ星×「リンク8」の至福のペアリング
ミシュランガイド北陸2021で2つ星を獲得し、高い評価を受けているのが「御料理 ふじ居」。富山県出身の料理人・藤井寛徳さんが表現する料理は、富山の豊かな海の恵み、山の幸を余すことなく楽しませてくれます。
地元の愛に満ちた逸品と「リンク8」を合わせるという、夢のようなコースを味わってみました。
コースのスタートは<白身魚のカステラ>、<もなかに蕗味噌>などの小鉢が並ぶ八寸から。一口サイズながらも、それぞれ素材の個性が丁寧に引き出され、一つひとつに存在感があります。
お造りは富山湾のめじマグロ。大トロ、砂ずり(腹の一番下の部分)、中トロの3つの部位が味わえるという楽しさ。脂がのった大トロと「リンク8」を合わせてみると、お酒のほんのりとした甘さが刺身の旨みを包み込むようで、贅沢度がさらにアップします。
富山の名産といえばほたるいか。3月から5月にかけてがシーズンで、見た目からして鮮度のよさが分かります。しかも刺身、釜揚げ、炭火焼きと3つのスタイルで供されるという、産地ならではの楽しみ方!
「リンク8」はどの調理法のほたるいかとも相性抜群ですが、個人的には軽く茹でた釜揚げがほたるいかの甘みが引き出され、この酒の持つまろやかな風味と合う気がしました。
今回はスペシャルコースということで、コースの後半にはずわい蟹が登場。富山湾や射水市の新湊漁港で獲れたずわい蟹はカウンター越しの厨房でさばかれ、身がたっぷり入った質の高い蟹ということが見ただけでも分かります。
熱々の蟹の出汁に身をさっとくぐらせたしゃぶしゃぶは、食べた瞬間ストレートな旨みが全身に行きわたっていくよう。
ほぐした身に蟹みそをたっぷりとかけたコク深い逸品でも、「リンク8」の風味はしっかりと受け止めてくれていました。
コースのシメは<ほたるいかとなばなの土鍋飯>と<富山の月の輪熊、氷見のうどんの熊うどん>。ほたるいかの旨みが染み込んだご飯、熊肉の脂を上品に仕上げたうどんなど、さまざまなアプローチで富山の食の豊かさに満たされたコース。デザートは「リンク8」のベースである「満寿泉」の純米大吟醸を使ったアイスを味わい、贅を尽くした時間を過ごすことができました。
御料理 ふじ居
所在地 富山県富山市東岩瀬町93
電話番号 076-471-5555
営業時間 12:00~15:00、18:00~22:00
定休日 月曜日・第3火曜日
※前日までの完全予約制
https://www.oryouri-fujii.jp/
2023.05.31(水)
文=CREA編集部
写真=佐藤 亘