ワイナリーがそれほど多くない富山において、存在感を放っているのが「セイズファーム」。寒ブリで知られる漁師町・氷見で、ワインのためのブドウ栽培が始まったのは2007年のこと。江戸時代から続く魚問屋「釣屋」の釣誠二さんが地元に恩返しすべく、氷見の魚に合うワインをと考えたのがきっかけだった。

 「残念ながら釣さんは病に倒れてしまうのですがプロジェクトは受け継がれ、2011年に開業しました」とディレクターの飯田健児さんは振り返る。初リリースから11年が経ち、畑の面積は7ヘクタール、ブドウの木は2万本以上と増えた現在も、なによりも大切にしているのは氷見のテロワール。ワインの味はもちろん、物語を大切にする姿勢にも人々は惹きつけられるのだ。

 一方、美食の地として存在感を増しているのが富山市郊外の東岩瀬地区。かつて北前船で栄えた港町は風情ある街並みを残し、「カーヴ・ユノキ」をはじめとする旅の目的にしたいレストランが点在する。オーベルジュのようにも機能する「つりや東岩瀬」とも併せ、足を運びたい場所となっている。


ワインを軸にしたライフスタイルを手に入れる

◆SAYS FARM(セイズファーム)

 富山湾と立山連峰を望む丘の上に広がる、富山ならではのロケーションにまず惹かれるワイナリー。

 シャルドネやアルバリーニョなどを中心に自社農園のブドウ100%で造られるワインは、ミニマルなラベルデザインと呼応するように、上品さを感じさせる味わい。

 「元は魚問屋ですから経験者は誰もいなくて、ブドウ栽培もワイン造りもゼロからのスタート。長野や新潟で学んだものの、土地や気候が違えば全く違って」と飯田さん。

 結果、試行錯誤を重ねることで酸味と果実味のバランスが絶妙なワインへと繫がったのだ。

 緑豊かな敷地にはワインを軸に地元食材を楽しめるレストラン、1日1組だけのゲストハウス、地元作家の作品が並ぶギャラリー、暮らしを豊かにするものがセレクトされたショップやギャラリーを揃え、五感を優しく刺激してくれる。

SAYS FARM(セイズファーム)

所在地 富山県氷見市余川字北山238
電話番号 0766-72-8288(代)
営業時間 レストラン 11:00~15:00、カフェ 15:30~16:30 L.O.、17:30~21:30(21:00L.O.)
定休日 無休
※ランチは要予約、ディナーは3日前までに予約を
【宿】
客室数 1室(定員6名まで)
料金(1室) 35,200円~(1室2名利用)
ワイナリー見学(30分、試飲付き)/13:30~、土・日曜 10:30~、13:30~/料金 500円
※前日までの要予約
https://www.saysfarm.com/

2022.10.02(日)
Text=Mako Yamato
Photogaraphs=Atsushi Hashimoto

CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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