富山県の海沿いの町、東岩瀬は江戸時代に北前船の寄港地として栄え、風情ある町並みが今も残るエリア。この古き町でここ数年、食を中心にムーブメントが起こっています。

 その一つが東岩瀬に蔵を構える桝田酒造店とスコットランドのウイスキーブランド、シーバスリーガルのコラボレーションで誕生した「リンク8(リンクエイト)」。日本酒をウイスキー樽で熟成させるという、新発想のお酒です。

 ミシュランガイド北陸にのった店が6軒もあるほど食のレベルが高い東岩瀬で、滋味深い料理と「リンク8」のマッチングを体験。さらにはガラス作品や陶器のギャラリーなど、五感を刺激するスポットを訪れてみました。


日本とスコットランドの酒文化が見事にマッチ

 マットな黒のボトルに美しい流線で描かれた8。ワイン? それともスピリット系? と思わせるビジュアルの「リンク8」は2018年から開発が始まり、2022年に発売された日本酒です。

 醸造の場は1893年(明治26)創業の桝田酒造店の酒蔵。ウイスキー樽との相性がいい希少な「山田穂」を始めとした個性の異なる酒米、数種類の酵母で発酵させた原酒などをブレンドし、シーバスリーガルで使われていた樽で10ヶ月間熟成させるという、こだわりの製法で造られています。

 熟成3ケ月、完成前の「リンク8」を試飲してみるとフレッシュな風味が広がり、エイジングが進むとどんな味になるのか期待が高まります。

「リンク8」の始まりは、桝田酒造店の五代目当主・桝田隆一郎さんとシーバスリーガルの元マスターブレンダーのコリン・スコットさんが、スコットランド・キースのストラスアイラ蒸溜所で出会ったことから。二人は意気投合し、スコッチウイスキーと日本酒という二国の酒文化の魅力を生かそうと、独創的な発想で「リンク8」を生み出しました。

 ボトルに描かれた「8」は“繋がり”を表現し、富山市と蒸留所があるスコットランド・キースとの距離が8,888キロメートルという不思議な巡り合わせもあるそうです。

リンク8(リンクエイト)

750mLオープン価格(参考小売価格 13,200円)アルコール度数 16度
Amazonなどで購入可能

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桝田酒造店

所在地 富山県富山市東岩瀬町269
電話番号 076-437-9916
http://www.masuizumi.co.jp/

2023.05.31(水)
文=CREA編集部
写真=佐藤 亘