家康の歴史、面影を感じるスポットへ
JR静岡駅からバスで10分ほどのところにある「静岡浅間神社」も家康とのゆかりが深い神社です。40の神社の集合体であり、目に見える神社は7社、残りの33は内在しています。40の神社のうち家康が祀られているのが2社。全国でも1箇所で2社祀られているのは静岡浅間神社だけ。この神社の多くの神々に祈りを捧げたことで、家康の天下統一の夢が叶ったと言われています。
静岡浅間神社の特徴のひとつが社殿に漆を贅沢に使っている点です。20年かけて漆を塗り直す作業が行われており、現在は10年目。20年で総額50億円かかる修繕ですが、それほどのお金と時間をかける理由はというとーー。
「3代将軍・家光公の時代に日光東照宮と静岡浅間神社、久能山東照宮などに漆を使うようになりました。漆は家康公を表すものであり、家康公を神格化するために使ったと言われています。漆塗りの国宝・重要文化財建造物の数として、静岡県は京都府に並び全国2位で36棟あります。そのうち23が静岡浅間神社にあり、全国レベルでも漆塗りの社殿が多いことがお分かりになると思います」と、静岡浅間神社の神職・宇佐美洋二さん。
家康を象徴する漆塗りを守っていくことが、受け継がれてきた使命でもあるんですね。
また、家康が神社に奉納した、馬を模した木彫りの神馬も見ることができます。天下統一を成し遂げ江戸幕府を開くなど、さまざまな願いごとを叶えてきた家康にあやかり「叶え馬」と称されており、ニンジンをお供えしてお参りする人が多いそうです。
祈祷などの特別な時以外は入ることができない大拝殿を特別に見せていただくと、江戸時代に活躍した狩野栄信・狩野寛信の描いた見事な天井絵がありました。当時の芸術、技巧が美しく残る社殿を巡っていると心が磨かれるようです。
静岡浅間神社
所在地 静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
電話番号 054-245-1820
拝観時間 7:00〜18:00
http://www.shizuokasengen.net/
衣装や絵コンテなどが見られる大河ドラマ館
静岡浅間神社の敷地内にある「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」は2023年1月27日(金)〜2024年1月28日(日)の期間限定で開館。ドラマで使用された衣装や小道具のほか、制作に使われたデザイン画などが展示されています。
1階の4Kシアターでは、出演者のインタビューやドラマの見どころを紹介。ドラマ視点で描かれた家康と駿府の繋がりをより知ることができ、大河ドラマファンにはたまらない場所です。
どうする家康 静岡 大河ドラマ館
所在地 静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102(静岡浅間神社内)
開館期間 2023年1月27日(金)〜2024年1月28日(日)
9:00〜18:00(最終入館17:30)
休館日 無休
https://www.shizuoka-ieyasu.jp/drama.html
お土産、コレ買いました!
「八丁みそまん」
大河ドラマ館に隣接している土産物店で買った八丁みそまん 各259円。家康が好んで食べていたという三河の八丁みそを使ったおまんじゅう。天然醸造で二夏二冬以上の相田塾生させた八丁みそのコクが生かされた味わいです。甘みがしっかりしているので濃いめの緑茶と合いそう。同じ中身で2種類のパッケージが楽しめます。
家康の足跡を辿る静岡市歴史博物館
駿府城公園のすぐ近くに2022年にオープンしたのが「静岡市歴史博物館」。1階には徳川家康が駿府城主だった頃に造られた遺構が発掘されたままの状態で展示され、家康が歩いたかもしれない道を間近で見ることができます。
2階には家康が関ヶ原の戦いで着用したとされる甲冑を当時と同じ手法で復元した資料、家康の肖像画などが展示されており、見ていると血気盛んに活躍していた姿が目に浮かぶようです。
家康を育てた戦国大名・今川氏の常設コーナーもあり、駿府の歴史を総合的に知ることができるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
静岡市歴史博物館
所在地 静岡県静岡市葵区追手町4-16
電話番号 054-204-1005
開館時間 9:00〜18:00
休館日 月曜日
https://scmh.jp/
帰途、JR静岡駅に向かう途中で目にした、堂々たる駿府城の佇まい。駿府を愛した家康の面影を見たような気がしました。家康にゆかりのある地を巡った静岡の旅。単なる歴史上の人物ではなく、その人柄に触れることができた豊かな旅時間になりました。
JR東海「どこ行く家康」キャンペーン開催中
徳川家康にゆかりのある静岡、浜松、岡崎、名古屋などを満喫する旅プラン、コンテンツが盛り込まれたキャンペーンが現在行われています。静岡では「【家康公が愛した鷹狩】なりきり鷹匠体験」や富士山が描かれた特別コラボ御守り付きの「【家康公祀る】久能山東照宮×JR東海」プランなどが実施中。
https://recommend.jr-central.co.jp/zurashi-tabi/dokoiku-ieyasu/
2023.05.17(水)
文=CREA編集部
写真=JR東日本オフィシャル、CREA編集部