久しぶりの“旅”で感じたこと

――2022年は韓国、インド、イギリスへ番組の収録で旅をされたそうですね。“スパイ”も任務のために決まった拠点を持たずに暮らす職業ですが、久しぶりの旅はいかがでしたか?

 ロイド・フォージャーとは共通点はないといいましたが、共通点があるとしたらそこかもしれません! (笑)。

 僕も一応ベースは日本ですが、いろんなところに出ていきたいという気持ちがありますので、久しぶりに海外に出られて本当に楽しかったです。今回の旅は短期間でしたが、目にした世界からまた新しいものを取り入れたような刺激的な日々でした。

 韓国は釜山国際映画祭が目的だったので釜山を訪れました。海がとてもきれいだったので、釜山に行ったらぜひビーチを歩いてほしいですね。

 イギリスへはテレビ番組のロケで行ったのですが、ロンドンの街を歩いているとミャンマー人の人と会って、「『SPY×FAMILY』に出るんでしょ?」と声をかけられたんです。ミュージカルだということは把握されていなかったのですが、すごい奇遇な出来事でした。

 イギリスは6年振りで、すごく敷居の高いイメージだったのですが、今回、インドからイギリスへ入ると、意外とそんなに変わらないという印象でした。

 もちろんロンドンの街内はとてもきれいなんですが、アジアの延長線上にイギリスがあるという感じがして、親近感みたいなものがやっと湧いてきて、すごく楽しかったです。前回はひとり旅で、今回はスタッフさんたちとご一緒していたことも影響があるかもしれませんが、“イギリスの違う顔”を目にした気がします。

ミュージカル『SPY×FAMILY』を通して伝えたいこと

――本作に向けて準備していること、楽しみにしていることはありますか?

 ロイド・フォージャーは子どもが苦手ですが、僕は子どもが大好きなんです。だから森崎ウィンとしてはアーニャとのお芝居が純粋に楽しみですね(笑)。『ピピン』でも子役と共演しましたが、ロイドのほうがアーニャとずっといると思うので、これほどがっつりなのは初めてです。

 準備しているものとしては、やっぱり銃ですね。以前お世話になった現場で“、ガンアクション”の方がいたので連絡しました。殺陣もそうですが、銃は触っていないと身につかないと思ったので、そこから始めようと思いました。

――今回の作品でミュージカルとして伝えたいことはありますか?

 僕はオリジナルのミュージカルを創るということに興奮しています。原作を舞台に再現するということだけでなく、日本が生んだストーリーを日本オリジナルのミュージカルとしてお届けする。原作が好きな方にもぜひ観に来ていただきたいです。

森崎ウィン

1990年、ミャンマー出身。2007年から芸能活動を開始し、歌手、俳優として活躍。2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグの映画『レディ・プレイヤー1』の主要キャストに抜擢されて、ハリウッド・デビューを果たす。2020年、映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2020年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2のトニー役、2021年ミュージカル『ジェイミー』のジェイミー役で主演を務める。2023年4月より初の全国ツアー「MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR」の開催が予定されている。

ミュージカル『SPY×FAMILY』

2023年3月8日(水)~3月29日(水) 場所/帝国劇場
2023年4月11日(火)~4月16日(日) 場所/兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2023年5月3日(水)~5月21日(日) 場所/博多座
https://www.tohostage.com/spy-family/

2023.03.05(日)
文=山下シオン
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=KEIKO
スタイリスト=森田晃嘉