キジトラはツンデレ、三毛猫はマイペース、ロシアンブルーは人見知り……。
いま世界中で、猫と毛色と性格の関係にまつわる研究が盛んにおこなわれていることを知っていますか? 猫について多岐にわたる研究を行っている京都大学CAMP-NYAN監修のもと、毛色による性格の傾向を分析した『猫は毛色と模様で性格がわかる?』を引用し、毛色を決める遺伝子や、性格の傾向についてご紹介します!
【サバトラ】戦後誕生したサバトラは希少な猫

サバトラは、美しいシルバーの地毛に黒い縞模様を持つ猫で、その呼び名は色合いが魚の鯖によく似ていることに由来します。このサバトラ、ポピュラーなようでいて、実はその数は多くありません。そもそも、サバトラが日本で見られるようになったのは、第二次世界大戦以降といわれています。キジトラなどの縞柄の猫が、戦後に海外からやってきた洋猫と交配して誕生したのがサバトラだとする説が有力です。
サバトラ数が少ない理由がもう1つあります。毛色をシルバーにするI(インヒビター)遺伝子が、ほかの遺伝子と比べるとあまり強くないのです。たとえばI遺伝子はO遺伝子よりも下位にあります。サバトラになるためのI遺伝子を持っていても、毛を茶色にするO(オレンジ)遺伝子(顕性O)とI遺伝子(顕性I)の両方を持つ場合、Oが優先される(遺伝子上位にある)ため、その猫は茶トラになるのです。つまり、シルバーの被毛を持つサバトラは、希少な猫といえるでしょう。

2023.02.22(水)
文=斎藤ユカ