この記事の連載
- 『猫は毛色と模様で性格がわかる?』より#1
- 『猫は毛色と模様で性格がわかる?』より#2
キジトラはツンデレ、三毛猫はマイペース、ロシアンブルーは人見知り……。
いま世界中で、猫と毛色と性格の関係にまつわる研究が盛んにおこなわれていることを知っていますか? 猫について多岐にわたる研究を行っている京都大学CAMP-NYAN監修のもと、毛色による性格の傾向を分析した『猫は毛色と模様で性格がわかる?』を引用し、毛色を決める遺伝子や、性格の傾向についてご紹介します!
【キジトラ】リビアヤマネコの毛色を受け継ぐキジトラ
黒と茶色の縞模様が特徴のキジトラは、見るからに野性的です。それもそのはず、イエネコの祖先とされているリビアヤマネコがまさに同じ毛色だったのです。そのためキジトラが持つ毛色の遺伝子はさまざまに変異する前の「野生型」と呼ばれます。祖先が住んでいた砂漠地帯はもちろん、街中でも景色にとけこむキジトラ柄の毛色。これをつくるのがA(アグチ)遺伝子とT(タビー)遺伝子です。
キジトラの毛は、A遺伝子の顕性により1本の毛に黒と茶が交互に入るアグチ毛(キジ毛)になります。全身の縞模様を決めるT遺伝子には、縞・渦巻きタイプとアビシニアンタイプ(純血種の1種)があります。両者はお互いに影響し合うので、まとめて「T遺伝子」として説明されます。キジトラの縞柄もアメリカンショートヘアの渦巻き模様も、アビシニアンに特徴的なティックドタビーもすべてT遺伝子の組み合わせによるものです。
2023.02.22(水)
文=斎藤ユカ