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齢を重ねて若さが失われても知性と知識が補ってくれる

――小川さんはこれからのご自分の姿をどう思い描いていらっしゃいますか?

小川 私自身は、とにかく日々目の前のことに一生懸命になること、それに尽きると思いますし、あとは柔軟でありたいなとは思いますね。世の中も人生も何があるか分からないので、その時々の状況を前向きに捉えられるようでありたいし、そこに自分を合わせていけるような軸みたいなものは持っていたいなと。

 そのためにはいろんな人にお会いしたり、さまざまな経験をしたりっていうことがまだまだ大事だと思います。私自身そういうことが大好きなので、今日林さんにお会いしていろいろなお話を聞かせていただいたことも、私の中で刺激にも励みにもさせていただいています。

 とんでもない! でも、小川さんの話を伺っていて、ふと私の母の言葉を思い出しました。母は旅行作家で、年をとってからもずっと仕事をしていたんですが、その母が女性の生き方について、常日頃から言っていたことがあるんですよ。若い頃は若さがとにかく武器なので、100%それだけでもうキレイだと。だけど、寄る年波に人間は勝てないから、どうしても歳をとっていく。その失われる若さを補うのは、知性と知識なんだって。

 だから歳をとればとるほど、頑張ってそういうものを自分の中に取り入れていかなければいけないし、取り入れることによってその人の輝きは増すんだって、いつも母が言っていたんですね。

小川 知性と知識、なるほど。

 小川さんが今おっしゃった、いろいろな経験をしなきゃいけないっていうのは、まさに母が言っていたことだと思うんです。先ほど申し上げた好奇心もそうなんですけど、とにかくいろいろなものを自分の中に取り入れることで、失われるものもキープできるし、別の魅力もまた出てくる。

 それは、多分人間的な魅力ということなんですよね。だから小川さんも、今過ごしていらっしゃる時間がすごくいい経験になって、これからますます素敵になられると思いますよ。

小川 いえいえ、素敵だなんて。今はもうばたばたしているばっかりで、なかなかインプットの時間もとれませんし。

 でも、自分の時間が限られる生活って、経験してみないと分からないものじゃないですか。それもまた、すごく貴重な経験をされていると思います。

小川 そうですね。すべては経験と受け止めて、これから先の変化も楽しんでいきたいと思います。

 気分転換がしたくなったら一緒に文楽に行きましょう。きっと気に入っていただけると思いますよ!

林 理恵(はやし・りえ)

1986年、国際基督教大学卒業後、日本放送協会に記者として入局。神戸放送局長、国際放送局長などを経て、2022年専務理事・メディア総局長に就任。


小川彩佳(おがわ・あやか)

2007年、青山学院大学卒業後、テレビ朝日に入社。11年より『報道ステーション』サブキャスターを務める。19年よりフリーアナウンサーとなり、同年よりTBS『news23』メインキャスター。

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2022.10.07(金)
文=張替裕子
写真=杉山秀樹