瀟洒な洋館で優雅なティータイムを

 次に向かったのは、山手地区。山手234番館やエリスマン邸、ベーリック・ホール、外交官の家など、異国情緒あふれるエリアを歩いていると、赤と白の可愛い洋館が見えてきました。

 1978年創業の「えの木てい 本店」は、元々、外国人の方が住んでいた家を今のオーナーが買い取って、お店にした洋菓子店。

 150年以上も昔のアンティーク家具がおかれたティールームでは、手作りのスイーツとお茶をいただけます。

 メニューの中から、お好みのケーキとドリンクを選ぶ「ケーキセット」(1,386円)をオーダーしました。ケーキはどれも美味しそう! メニューとにらめっこし、悩むこと数分。一番人気の「ロザライチ」をチョイスしました。

 運ばれてきたケーキの鮮やかな色合いに目が奪われるものの、早速一口。ライチのムースの爽やかさに、酸味が効いたフランボワーズとローズのムースが重なり、馥郁とした香りが口と鼻を抜けていきます。

 真ん中にあるフランボワーズのジュレは固めなので、食感のアクセントに。上にトッピングしてあるバラは食用なので、花弁は食べられるのだとか。バラを目一杯堪能できるスイーツですね。

 他に気になった「薔薇の香るスイートロールケーキ」は、15年前の開校祭記念で作成、提供したメニューだそうで、中央部分にあるローズのブリュレを、北海道産の生クリームで包み、バラを練り込んだ生地で巻いたもの。

 紅茶ライセンスを持つオーナーが茶葉もブレンドしているので、紅茶も美味しいところも嬉しいポイントです。また、本店でしか購入できない看板商品の「チェリーサンド」は、当時のママさんが作るチーズケーキにかけたチェリーソースが好評だったことから誕生したお菓子なんだとか。

 今回は、さわやかなレモンの酸味がきいた「横濱レモン」(4個入り、691円)をお土産にGET。

 そのほか、2階にあるスイーツショップでは、マカロンや雑貨なども販売しているので、食後に立ち寄ってみては。

 せっかくの横浜なので、定番スポットも抑えつつ、意外と知られていない穴場やニュースポットも巡ってみました。

 横浜といえば、みなとみらいや横浜中華街など、観光地のイメージが強いですが、実際に歩いてみると地区によって景観が違い、のんびり過ごせるスポットもある街で癒されました。

 「後篇」では、夜に楽しめる横浜のナイトスポットをご紹介していきます。東京からほど近い、まだ見ぬ横浜。ふとした時に訪れてみてはいかがですか。

えの木てい 本店

所在地 神奈川県横浜市中区山手町89-6
電話番号 045-623-2288
営業時間 12:00~17:30、休日は11:30~18:00 いずれも(L.Oは各30分前)
定休日 無休
https://www.enokitei.co.jp/

2022.08.27(土)
文=根津香菜子