うちの子ベストショット①
「カメラ向けたらにゃーんってしてくれたエトさん」
――トトちゃんはミキ・亜生さんが保護した猫の1匹だったんですよね。
3匹のきょうだいを保護していて、茶トラを僕が、残り2匹のサビ猫は華山(元エンペラー)のやすいが引き取りました。亜生が拾ったタイミングで見に行ったんですけど、初めて会ったトトさんがとにかくかわいくて。奥さんは「飼えるの? 大丈夫?」って心配してたんですけど、家にエトさんだけの時間もあったので、もう1匹いたら楽しいだろうと思って、僕が押し切って飼うことにしたんです。でも……全然、仲良くないんですよねぇ(笑)。
――何か思い当たる要因はあるんですか?
いえ、わからないです。トトさんは0歳のまだ子猫の時に来た当時からすっごく元気で。エトさんに遊んで遊んでってアピールするんですけど、エトさんは「こっち来んな」っていう感じだったんです。今は一緒にして5年になるんですけど、その感じが未だに続いてます。
徐々に慣れさせようと思って、最初は寝室とリビングに部屋を分けてお互いの匂いを嗅がせたりしたんですけど……ちょっと早かったのかな。エトさんに「トトが来てどうだった? ごめんな、もうちょっと上手にできればよかったんだけどな」って言いたいなと。あの時の気持ちを聞けるといいんですけどね。
うちの子ベストショット②
「いつもこんなに仲良しだったらいいのに」
――とはいえ、家の中でそれぞれの居場所があるならいいですよね。
そうですね。エトさんは僕とも距離があるっていうか。昨年、(大阪から東京へ活動拠点を移すにあたって)奥さんが先に、猫2匹と一緒に東京へ来たんですよ。僕は3月いっぱいまで大阪でライブがあったので、何もない部屋で1人で過ごして2~3週間後に上京したんですけど、久しぶりに会ったエトさんが冷たくて。僕としては「うわぁ~!」みたいな感じで喜んでくれるんかなと思ってたのに、「え、誰?」くらいの感じで、そんなに態度が変わるの? ってびっくりしました。そこからちょっと距離ができた気が……。今は奥さんにだいぶリードされてます。ずっと家にいるし、この先勝てることはないですね。トトさんはまったく変わらないんですけど、あの離れた期間をちょっと後悔してますね。
――ちなみに、名前はどんなふうに決められたんですか?
エトさんは、『東京喰種』っていう漫画に出てくる登場人物から、語感もいいしっていうことで奥さんがつけました。吉本を辞めて今、別の事務所にいるトロピカルマーチさんっていう男女コンビの先輩男性が「えとさん(正式名称はえとちゃん)」なので反対してたんですけど、全然譲ってくれなかったんですね。
昨年、上京してきて下北沢を歩いてたら、えとさんに偶然会ったので話しかけて「実は猫にエトってつけてまして。すみませ~ん」って言いました。「あぁ、そうなんだ」って返されましたけど、そりゃそうですよね(笑)。ただ、僕としては伝えられてよかったです。で、トトは僕が。エトとセットになる名前がいいなっていうことと、『週刊少年マガジン』で連載されてた『トト! the wonderful adventure』っていう漫画が好きなのも含めて、いろんなパターンを考えた中から選びました。
2022.08.10(水)
文=高本亜紀
撮影=榎本麻美
写真=中野周平