ずっと続く青春のなかで良いものを創り、選び抜いていきたい

――思い切って表現の世界に飛び込んでから、話題作に次々出演し、賞も受賞されました。河合さんにとって「表現」ってどんなものなんでしょう。

 どうだろう。「とにかく好き」というだけかもしれないです。もともと、仕事という枠組みで捉えていなかったものがいま職業になっているっていう状況だし、表現することの全ては生きることと全部繋がっていると思うんです。私も、仕事とプライベートの境目は意識していないです。なかなか言葉にするのは難しいけれど……。やっぱり「好き」という感覚がしっくりきますね。

――今年もたくさんの出演作が公開予定です。ご自身の今後について考えることはありますか?

 このあいだ、役者の先輩と話していて思ったことがあって。

 私は高校の同級生とかよりもちょっとだけ先に社会人になりました。だから私はいま仕事をしていて、彼らはまだ大学で勉強をしているけど、いつかそれが逆転する日が来るんじゃないかなと思っているんです。卒業して会社に就職して、どんどん仕事を覚えて、昇進して、家庭を持って……段階を踏んでステップアップして大人になっていく。

 だけど私はこの先もずっと青春が続いていく感覚で。演じることが楽しくも苦しくもあって、どんどん満足できなくなったり、「こんなことをしている場合じゃない」って焦る気持ちが湧き上がってくることもあります。だからあえて今後のキャリアについてはなるべく決めないようにしているというか。どうしたら自分にとって意味のあるものを残していけるのかな、っていうことを考えるようにしています。

 そのなかで「こうなりたい」があるとするなら、より面白いもの、より良いものをちゃんと選べるような人になりたい。ものごとを選ぶ自分のものさしをちゃんと育てていきたいと思っています。30歳くらいまでに、ですかね。

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河合優実(かわい・ゆうみ)

2000年12月19日生まれ。東京都出身。2019年にデビュー後、映画『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、数々の賞を受賞。2022年の待機作には映画『冬薔薇』『PLAN 75』『百花』『ある男』など。

日本総合悲劇協会 VOL.7『ドライブイン カリフォルニア』

◆東京公演
時期:2022年5月27日(金)~6月26日(日) 
会場:本多劇場

◆大阪公演
時期:2022年6月29日(水)~7月10日(日) 
会場:サンケイホールブリーゼ

作・演出: 松尾スズキ 
出演: 阿部サダヲ、麻生久美子、皆川猿時、猫背椿、小松和重、村杉蝉之介、田村たがめ、川上友里、河合優実、東野良平、谷原章介 
企画・製作:大人計画 (有)モチロン
https://otonakeikaku.net/stage/2191/

2022.05.24(火)
文=CREA編集部
撮影=佐藤亘
ヘアメイク=上川タカエ(mod’s hair)
スタイリスト=吉田達哉 ※吉はつちよし