デニムは唯一無二の存在だと思います

――掲載されているスナップの中から、菅田さんがその時、その洋服を選んだポイントなどがあれば教えてください。

 例えば、P.184の上下デニムにコンバースは私服なんですけど、本当にオーソドックスなものですよね。

 コンバースまで入れるとまた別だけど、Gジャンにジーパンってすごく普遍的で、なおかつハリウッドスターから近所のおじいちゃんまで着ている洋服って他にないと思うから、人と場所と時代を選ばない感じが好きです。

 「デニム」というものが、いわゆる労働時に着る作業服から日常の洋服に変わっていったのって、多分1940年代くらいだと思うんですけど、100年近く経った今でもかっこいいと思うし、こんな洋服って唯一なんじゃないかな。

――他にも、フォーマルなスーツからパジャマを取り入れたコーディネートなどが載っていますが、菅田さんは「これ!」という決まったスタイルがあるのではなく、縦横無尽にジャンルを飛び越えて、まるで旅をするような感覚で洋服を着こなしているように感じました。

 よく「髪型も洋服も安定しない人だ」と言われるんですけど、僕、髪の毛伸びるのがめっちゃ早いんですよ! だから同じ髪型でいるのは物理的に無理だし、それプラス、役柄で体形も顔つきも変わるから、固定したスタイルが維持できない。その時その時のベストな姿を選ぶと自然に変化しちゃうんですよね。

 それに飽き性なので、じっとしていられないんです。洋服にしても、これまでにない出会いをしたいし、俳優としても色々な役を演じてみたいと思ってますから。

2022.05.06(金)
文=根津香菜子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=AZUMA(M-rep by MONDO-artist)
スタイリスト=猪塚慶太