人といい時間を重ねて生きる

 企画と主演を務め、YouTubeで配信された『DEATH DAYS』、重要な役どころで観る者を圧倒した映画『前科者』など、V6時代の舞台も含め、森田の出演作は“生きること”(死ぬこと)が様々な切り口で描かれている。自身にとって生きるとは何なのか。

「生きることと死ぬことは、長い間考えてることで、でも、分からないんですよね。おじいちゃんが死んだときも、前に飼ってた犬が死んだときも、悲しい感情はあるけど死を受け入れてない自分がいるというか、自分が死に対してどう思ってるか理解できてない。自分が死ぬのも想像できないし。

 確かに『DEATH DAYS』も『前科者』もそうですよね。自分の中でそのテーマはなんとなく引っかかっていて、だからやりたくなるんだと思います」

 では、日々の暮らしの中で意識しているわけではない?

「そう。未来のことは俺にとってはそんなに重要じゃなくて。それよりも今近くにいる人や出会う人と、“どうでもいい時間”を過ごすことが大事なんです。あんまり自分にプレッシャーをかけたくない、というのもあります。『明日死ぬかも』なんて思ってたらダラダラもできないじゃないですか(笑)。普通のくだらない時間も大事だなと思うんですよ」

2022.05.05(木)
Text=Mami Naruta
Photographs=Tim Gallo
Styling=Koji Oyamada
Hair & Make-up=TAKAI
Plants decoration=Yasutaka Ochi (DILIGENCE PARLOUR)

CREA 2022年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

あたらしい暮らし 楽しい暮らし

CREA 2022年春号

あたらしい暮らし 楽しい暮らし

特別定価880円

「CREA」2022年春号の特集は、「あたらしい暮らし 楽しい暮らし」。激動する時代の中“楽しい暮らしの正解”はなくて、きっとそれは百人百様。でも人生100年時代となり、キャリアがマルチステージ化していくと言われる世界を、自分らしく楽しむためには、自分の中に「種」を持っていたい。今すぐじゃなくても、ちょっと先の未来に芽が出るような、小さくても、強い種を――。