岐路に立ったら心が動く方へ

 日々の暮らしは、多くの“生”によって成り立っているという。

「ひとりで生活してるわけじゃないから、その分良いこともあれば、自分のペースではいかないこともある。その両方あるのが大事だなって最近思います。ポジティブなことだけでなくストレスも絶対必要で。それは対人に限らず、植物や犬に対しても思うこと。

 彼らは言葉が喋れないから、思いやる部分とか『今、何を求めてるのかな?』と感じることがたくさんあって勉強になります。生き物と一緒に生活するっていいですよね」

 2021年、大きな岐路に立った彼に“選択の指針”を尋ねると、「心が動くか動かないか」と即答。

「今回の決断はひとりの問題ではなく、いろんなものがついてくるから難しかった。でも、何かを決めるときって心配や迷惑をかけるといったネガティブなこともつきまとう。だけど俺は、それはちょっと置いておいて、心が動くものに向かって突き進んでいきたいんです。それって生きる上ですごく大事なことだと思います」

2022.05.05(木)
Text=Mami Naruta
Photographs=Tim Gallo
Styling=Koji Oyamada
Hair & Make-up=TAKAI
Plants decoration=Yasutaka Ochi (DILIGENCE PARLOUR)

CREA 2022年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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「CREA」2022年春号の特集は、「あたらしい暮らし 楽しい暮らし」。激動する時代の中“楽しい暮らしの正解”はなくて、きっとそれは百人百様。でも人生100年時代となり、キャリアがマルチステージ化していくと言われる世界を、自分らしく楽しむためには、自分の中に「種」を持っていたい。今すぐじゃなくても、ちょっと先の未来に芽が出るような、小さくても、強い種を――。