元人気俳優がヤクザと共演。「映画の何たるか」を学ぶ!?
『映画は映画だ』
1人は、お酒や女性問題など素行の悪さで人気がなくなっていく、元人気俳優。もう1人は、俳優志望のヤクザで、見た目もカッコ良くて、人望もある若頭。そんな2人が、ひょんなことから映画で共演することになるんです。
2人が、“演技だからいいだろう”とか、“アクションは本気でやらないとダメだろう”と、やりとりを交わすんですが、それが高じて死闘のシーンは“本気で殺しに行かないとダメだろう”になる。もう無茶苦茶なんですが、でも僕にとって、とても学ぶことが多かった映画です。とことん演技を突き詰めるヤクザの姿を見て、突き詰めたらこんなに面白くなるんだと思いましたし、見せ方は分かっているけれど、あくまでも演技、とする元人気俳優、そんな2人の対峙がすごく良くて。
そこに、ヤクザが本気で相手役の女優を好きになってしまったり、組織でもやらなければならないことがたくさんあるのに、同時に関わってしまった映画を本気で作らなければいけない、という思いもあったりして。一方の元人気俳優は落ちぶれていく不安や葛藤で精神がアンバランスになっていったり……。かなり、泣けましたね。ポスターも、2人の衣装が白と黒で、その対峙・対比がすごくイイんですよ。
●あらすじ●
高慢な映画俳優スタ(カン・ジファン)は、これまで何度もアクションシーンで加減が出来ずに本気で暴力を振るい、相手役に怪我をさせてきた。そしてまた今回も、大怪我を負わせてしまい相手役の俳優が降板、もはや代役も見つからない状況に。そんな時、スタは知り合ったばかりの俳優志望のヤクザ(ソ・ジソブ)を思い出し、彼に出演を依頼する。
『映画は映画だ』
監督:チャン・フン
出演:ソ・ジソブ、カン・ジファン、ホン・スヒョンほか
2008年/韓国/112分
©2008 SPONGE and KIM KI-DUK FILM. All Rights Reserved.
DVD好評発売中 5,170円(税込)
発売・販売元:ポニーキャニオン
検事と詐欺師が巨悪に立ち向かう復讐バディムービー
『華麗なるリベンジ』
ハズさない男、ファン・ジョンミンと、僕の好きなカン・ドンウォンが主演の、巨大な権力に立ち向かう、超フィクションなエンターテインメント。ドンウォンが演じるのは、女の子にモテてスタイルのいい二流詐欺師。ジョンミンは、正しいことを訴えていたのに、ハメられて捕まった検事。そんな2人が刑務所の中で出会うんです。
2人が刑務所を出てから、政治絡みの権力に立ち向かって、全部をひっくり返していくという、あり得ないようなフィクションですが、それがイイんですよ。カン・ドンウォンの軽い感じがカッコ良くて、それをファン・ジョンミンが締めていて。重いシーンが一つもなく、軽やかでテンポもよくて。
2人が、色んな衣装で、色んな場所に行くのですが、それがお洒落。2人が並んで、ドンウォンがピースしているポスターもカッコよかった。ドンウォンの一番の魅力は、スタイルの良さですね。アクションがメチャクチャ映えますから。ファン・ジョンミンは最もハズさない男と言われていますが、カン・ドンウォンもフィルモグラフィーを見ると、面白い作品が揃っていますね。
●あらすじ●
無実の罪で逮捕された検事(ファン・ジョンミン)は、何度も再審請求を試みるが、ことごとく何者かに潰されてしまう。数年かけて虎視眈々と潔白を証明する時期と方法を練っていた検事は、刑務所内でイケメン詐欺師(カン・ドンウォン)に出会う。彼から形勢逆転のアイディアを聞かされた検事は、出所を条件に、詐欺師に協力を持ち掛ける。
『華麗なるリベンジ』
監督:イ・イルヒョン
出演:ファン・ジョンミン、カン・ドンウォンほか
2016年/韓国/126分
© 2016 SHOWBOX, MOONLIGHT FILM AND SANAI PICTURES CO., LTD ALL RIGHTS RESERVED.
Blu-ray 6,820円(税込)/DVD 5,217円(税込)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2022.01.22(土)
文=折田千鶴子
撮影=鈴木七絵
スタイリスト=徳永貴士(SOT)
ヘアメイク=SHUTARO(vitamins)