贈られて嬉しいのは、そこにストーリーが感じられるもの

――あらためて、新たに動き出すミュージカル『ボディガード』に対して、今、大谷さんが楽しみにされていること、期待されていることを教えてください。

 今回、初演から引き続いて出演しているキャストの誰ひとり、あの時と同じものをもう1回やればいいんだと思っている人っていないと思うんですよ。初演を上回るものにとか、あそこに新たに何かをプラスできたらと考えているはずで。そこを僕自身も期待しているし、キャスト同士がお互いに期待しているところだとも思うし。

 いろんなことが中止になって、そこから各々が考えたことがあって、様々な経験をして再び集まるわけで、それらを生かしてステップアップしたものをぶつけ合うことができたらと思っています。……って、こうやって話しながらも、なにか気の利いた贈り物の話が浮かんでこないかなぁって思っていたんですけれど……。

――そんな……真剣に考えてくださったんですね。

 贈られて嬉しいのは、そこにストーリーが感じられるものですね。(ふと思い出したようで)そうだ、20歳になった時に、母が「大きいカバンをプレゼントしてあげる」って言って、買ってもらったカバンをずっと使っていたんです。今はもうくたびれちゃって、別のカバンを使っていますが、最初にもらったものは、その時の思い出も含めて今も大事にしています。

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大谷亮平(おおたに・りょうへい)

1980年10月1日生まれ、大阪府出身。大学在学中にモデルデビュー。2003年に韓国で出演したCMが話題となりブレイクを果たし、数々のドラマや映画にも出演。2014年にはドラマ『朝鮮ガンマン』で「ソウルドラマアワード」グローバル俳優賞を受賞した。2016年より日本でも活動をスタートさせ、ドラマ『ラブソング』で日本のドラマに初出演。その年の『逃げるは恥だが役に立つ』の風見役で話題を集める。2021年大河ドラマ『青天を衝け』では、安政の改革を断行した阿部正弘役を演じた。そのほかも数々の話題作に出演。2021年11月より、放送中の情報番組『せやねん!』(毎日放送・毎週土曜 9:25~)にて、次代の日本スポーツ界を牽引していくアスリートたちに、自ら体当たりで取材をおこなう「大谷亮平の熱血!届けます」コーナーをスタートさせ、自身のバレーボール経験から、スポーツに携わる活動も増えている。

ミュージカル『ボディガード』

いまや王道中の王道ラブソングともいえる、ホイットニー・ヒューストンの歌う『I Will Always Love You』と共に、1992年に全世界で大ヒットした映画『ボディガード』。その映画で使用した楽曲をふんだんに盛り込んだミュージカル版は、2012年にイギリスで初演され、以降、オランダ、カナダ、ドイツ、アメリカなど世界各国で上演されてきた。日本では2020年に初めて日本版キャストによる新演出にて上演に。しかし当初予定されていた東京・大阪の全33回のうち、大阪で5回上演されたのみで、以降、コロナ禍により全公演が中止となった。約2年ぶりのリベンジとなる今回は、フランク役の大谷さん、レイチェル役の柚希礼音さん、新妻聖子さんという初演キャストに加え、May J.さんがレイチェル役に加わり新たに始動。歌手でありオスカーを目指す女優でもあるスーパースターの歌姫・レイチェル(柚希礼音、新妻聖子、May J.)の元に、彼女の命を狙う脅迫状が送られてくる。彼女の身を守るため雇われたのは、かつて大統領の警護も行っていたボディガードのフランク(大谷)だった。しかしいつしかふたりは互いの立場を越えて惹かれ合うようになり……。

http://bodyguardmusical.jp/

2021.12.26(日)
文=望月リサ
撮影=深野未季
ヘアメイク=MIZUHO(VITAMINS)
スタイリスト=伊藤省吾(sitor)