いよいよ3つのギャラリーと1つの美術館を巡る旅へ
今回、私が体験したコースは4つのルートの内、港区エリアを周遊するルートBの一部。ギャラリー3軒と美術館1館を巡りました。
Take Ninagawa
最初に訪れたのは、2008年に設立された東麻布にある現代美術画廊「Take Ninagawa」。ここでは、アートの島、香川県の直島にある銭湯を活用したアート作品「直島銭湯 I♥湯」などで有名な大竹伸朗の個展が開催中。
2019年の個展「ビル景 1978-2019」の記憶も新しい大竹ですが、本展覧会ではコロナ禍に取り組んだ新しい連作「残景」が展示されています。
キャンバスに様々な素材を組み合わせた分厚い油彩画の堆積物から成る、三次元の構造を組み込んだ新たな作品を通して、記憶の最後に残る景色を探究できます。
大竹伸朗「残景」
展示会場 Take Ninagawa
所在 東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F
会期 10月30日~12月18日
https://www.takeninagawa.com/
rin art association@CADAN 有楽町
次は、日本のコンテンポラリーアートギャラリーが加盟する組織、一般社団法⼈日本現代美術商協会(CADAN)が運営するギャラリースペース「CADAN有楽町」へ。
ここでは鬼頭健吾、小金沢健人、水戸部七絵、やんツーのアーティスト4名によるグループ「COMBINE!」が開催されています。
展覧会のタイトルにもあるコンバインとは、1950年代初めに、誕生した現代アートの技法のこと。過激で斬新なコラージュから、コンバインペインティングと言われています。
今回のグループ展ではコンバインペインティングをより現代らしくアレンジした作品が並んでいます。
たっぷりの油絵具で立体感のある人物像を描き、そこに現物のギターを貼り付ける躍動感あふれる水戸部七絵の作品など、見応えのある展覧会でした。
COMBINE!
会場 CADAN有楽町
所在 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F
会期 10月19日(火)~11月7日(日)
AWT会期中は4日間オープン、10時~18時開廊
https://cadan.org/cadanyurakucho_rinartassociation/
2021.11.04(木)
文=廣松叶子
写真=今井知佑