日本初のアートイベントをアンバサダーが一足先に体験

 秋も深まりアートを楽しむ季節がやってきました。

 11月4(木)から11月7(日)まで開催されるART WEEK TOKYO(アートウィーク東京)は一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォーム主催で、都内の6つの美術館と44のギャラリーが協力したことによって楽しめる大規模なアートイベント。

 今回は現代アートが大好きなCREAアンバサダーの廣松叶子さんが一足先にイベントを体験。その様子をお届けします。

アートウィーク東京とは?

 アートウィークとはベルリンやロンドンや北京など世界の都市で毎年開催されている国際的なアートのイベント期間の総称。その都市の「いま」のアートシーンがわかる大規模イベントで、各国のアーティストの作品やギャラリーや美術館などのアートコミュニティを国内外へ発信していくことが目的で開催されています。

 東京はアジアでも有数の大都市ですが、都市の規模が大きく美術館やギャラリーが点在していた事が原因で、アートウィークの開催が難航していました。今回は都内のアートコミュニティが協力することによってアートウィーク東京が開催された記念すべき第1回となります。

アートが体験できるアートバスで繋がる東京各所の美術館とギャラリー

 アートウィーク東京では美術館とギャラリーを結ぶ4つのルートを巡回する「アートバス」に乗りアートツアーを楽しむことができます。アートバスの中ではルートごとにそれぞれ異なる4組のアーティストによる4つの作品が。移動時間にもアートを楽しむことができ、アート好きにはたまりません。

 今回、私が乗車したのは塩見允枝子の作品が体験できるアートバス(期間中はCルートを運行するバス車内で体験できます)。

  塩見允枝子は自然や日常の出来事を対象とする「イヴェント」という行為のアートを行ってきた作家。「イヴェント」にはインストラクション(指示書)があり、それに記載された行為をすることで作品が成立する、乗客の参加が必要なアート作品です。

 アートウィーク東京のバスのために塩見が制作したのは、《AWT 巡回バスの為の五つのイヴェント》という作品。

 バスに乗車すると1枚の黒い紙を渡されました。これが「イヴェント」が書かれたインストラクション(指示書)です。

 インストラクションには車窓から青空が見えるか確認する、目を閉じて周りの音に耳を澄ますなど、コロナ禍でも楽しめます。

 アートというと作品をじっくり鑑賞するイメージですが、塩見の「イヴェント」は自分自身が実行することで初めてアートになるものなので、旅の思い出として深く残りそうです。

2021.11.04(木)
文=廣松叶子
写真=今井知佑