1987年にオーストラリア・メルボルンで誕生したAesop(イソップ)。Aesopといえば、スタイリッシュな佇まいのアンバーなボトル、プロダクトデザイン、香り…… その世界観に魅了されている人も多いだろう。

 Aesopはなぜ私たちを虜にするのだろう。Aesopの神髄を探るべく、チーフカスタマーオフィサーのスザーン・サントスさん(以下スザーン)に話を伺った。


きっかけはたった一言から始まった

――Aesopに入ったきっかけは何だったのでしょうか。

 創業者のデニス・パフィティス(以下デニス)と初めて出会った頃、大学にも通い、また2人の子を持つ母でした。知人を介してデニスに会ったところ、「一緒にやってみない?」と声をかけられ、その一言からスタートしたんです。それから30年以上Aesopに携わっていますね。20代のころから日本に旅行で来ていました。Aesopとして、日本での接客経験もあります。日本は大切な国のひとつです。

――人々がAesopに足を運ぶ理由についてどう考えますか。

 私たちは、たとえ商業施設の中に出店したとしても、一歩踏み込めばそこは“Aesop”という独自の空間を創造することをとても大切にしています。

 日々の慌ただしさから少し離れ、Aesopの世界に没入できるからかもしれませんね。

――東京店は桜の時期になると特に美しいですよね。

 東京店や京都店はデニス含め私たちが特に思い入れの強いストアです。桜の時期の景観が美しいのはもちろんですが、元あった建物も完全に壊すのではなく、生かしながら造っています。それがその場所の雰囲気ともマッチして、違和感なく馴染むことができているのだと思います。洗練された空間と親しみやすさが共に存在するからでしょう。

2021.10.08(金)
文=CREA編集部
写真=平松市聖